NEWS / BLOG

お知らせ・ブログ

SIerとITコンサルの違いとは? 業務内容やスキル・年収・転職のポイントを解説

SIerからの転職先として、ITコンサルは人気を集めています。SIerとITコンサルのビジネス領域は近いため、同じような仕事だと解釈している方もいるのではないでしょうか。しかし、SIerとITコンサルの業務は明確に違います。SIerからITコンサルへの転職を考えるのであれば、両者の違いを理解しましょう。

この記事では、SIerとITコンサルの違いを解説します。違いを正しく理解することで、SIerとITコンサルのどちらが自分に向いているのか判断できるでしょう。

SIerとITコンサルの定義

SIerとITコンサルの違いを理解しやすくするため、それぞれの正確な意味から確認しましょう。

SIerとは

SIer(エスアイヤー)とは、「System Integrator(システムインテグレーター)」の略称です。クライアント企業に提供するITシステムの開発や、運用サポートを行う会社を指します。SE(システムエンジニア)やPM(プロジェクトマネージャー)が中心となって業務を進める形が主流です。

SIerは、IT機器メーカー系列の「メーカー系SIer」や、非IT企業の開発部門が独立した「ユーザー系SIer」などの種類があります。それぞれの顧客層と扱うソフトウェアは異なりますが、業務内容は共通しています。

ITコンサルとは

ITコンサルとは、「ITコンサルティングファーム」の略称です。クライアント企業の課題を解決できるITシステムを提案し、導入をサポートします。課題のヒアリングや目的設定から始めるため、SIerよりも前段の上流工程に携わる点が特徴です。

また、ITコンサルが職種を指す場合、「ITコンサルタント」が正式名称です。多くのITコンサルタントはコンサルティングファームに所属していますが、フリーランスも存在します。クライアント企業との打ち合わせのため、SIerに比べて出張や移動が多い傾向があります。

SIerとITコンサルの違い|業務編

SIerとITコンサルの業務上の違いを、以下の3つに分けて説明します。

  1. ビジネスモデル
  2. 目的・役割
  3. 仕事内容

順番に見ていきましょう。

ビジネスモデル

SIerとITコンサルのビジネスモデルには、明確な違いがあります。

SIerのビジネスモデル

​SIerのビジネスは、クライアントの要望に叶うシステムの開発です。ゆえに、一般的なシステム開発と同じく、報酬は人月換算で支払われます。システム開発が業務の中心となることから、SIerが主に関わるのはクライアントの開発部や情報システム部です。

ITコンサルのビジネスモデル

ITコンサルは、「クライアントの課題解決に最適なITソリューションの提案」をビジネスとしています。報酬はプロジェクト単位が一般的です。クライアントの課題と解決策を見つけ出すため、ITコンサルはIT系部門だけでなく営業や広報といったユーザー部門ともやり取りします。

目的・役割

ビジネスモデルが違えば、目的や役割も異なります。

​SIerの目的・役割

​SIerの目的と役割は、クライアントのニーズに応じたシステム開発から導入、運用保守までのトータルサポートです。SIerは、対応範囲内であれば、クライアントの要望を基本的に拒否しません。システムの導入だけで終わらず保守運用も含めることで、クライアントとの信頼関係を築きます。同じクライアントから新規案件の受注を期待できるため、関係構築も大切な目的です。

ITコンサルの目的・役割

ITコンサルの目的や役割は、適切なITシステムを提案・導入し、クライアントの経営課題を解決することです。​SIerの目的が「システム開発」中心であるのに対し、ITコンサルの目的は「課題解決」に焦点が当たっています。適切な導入効果を得る必要があるため、ITコンサルはクライアントの要望をすべて受け入れるわけではありません。時には代替案を出して投資対効果を検証し、導入システムを策定します。

仕事内容

具体的な仕事内容は以下の通りです。

SIerの仕事内容

SIerは、クライアントのRFP(提案依頼書)に沿って、システムの要件定義を定めます。システム開発における要件定義とは、実装する機能や可用性、セキュリティなどの項目を決める作業です。要件定義をもとにシステムの基本設計と詳細設計を決定し、PG(プログラマー)が中心的に開発とテストを行います。テスト合格後はクライアントの環境にシステムを導入し、継続的な保守運用もSIerが担当します。

ITコンサルの仕事内容

ITコンサルの仕事は、業務要件定義からスタートします。ITコンサルにおける業務要件とは、クライアントの業務プロセスを整理して問題点や経営課題を洗い出し、ITシステムによる具体的な解決策をまとめる作業です。クライアントのヒアリングや現場調査、市場調査、データ分析を行い、解決策を策定します。クライアントのビジネス戦略に関わるため、経営層や部長などの決裁権者とのコミュニケーションが必須になります。

SIerとITコンサルの違い|人材編

続いて、SIerとITコンサルの人材における相違点を2つ紹介します。

  1. 必要なスキル・経験
  2. 適性がある人

それぞれ解説します。

必要なスキル・経験

SIerとITコンサルに求められるスキルには、大きな違いがあります。

SIerに必要なスキル・経験

SIerは、システム開発に欠かせない技術的スキルと経験が中心です。プログラミング言語への深い理解と技術力に加え、担当分野の専門知識が欠かせません。SIerのエンジニアは、「ネットワークエンジニア」や「データベースエンジニア」のように担当分野が分かれています。さらに、クライアントと関わる立場のPMやSEであれば、コミュニケーション能力やヒアリング力も求められるでしょう。

ITコンサルに必要なスキル・経験

ITコンサルは、ビジネススキルが重要です。ITシステムによる課題解決を担うことから、経営知識やITトレンドの最新情報、クライアントの業界に関する知見が不可欠です。的確な調査とデータ分析を行うためには、論理的思考力も必要でしょう。また、SIerよりも高度なコミュニケーション能力が求められます。クライアントに説明するために技術知識はある程度必要ですが、実際の技術力はあまり求められません。

適性がある人

それぞれの就職・転職適性がある人を紹介します。

SIer適性がある人の特徴

SIerに向いているのは、システム開発に関わりたい人です。SIerはシステムの要件定義から設計、開発、運用までの工程を担います。システム開発に興味がない場合、SIerの仕事は向いていないでしょう。また、システム開発は綿密な作業です。ゆえに、システム開発に関わりたい人の中でも、学習意欲が高い人や論理的思考が得意な人はとりわけ適性があると言えます。

ITコンサル適性がある人の特徴

ITコンサルの適性があるのは、課題解決に達成感を感じられる人です。ITコンサルは、顧客が抱える経営課題を見つけ、ITシステムを使った戦略を練ります。こうした課題解決に向けた過程にやりがいを感じる人であれば、ITコンサルの仕事を楽しめるでしょう。さらに、クライアントごとの業界知識を熟知する必要があるため、知識欲が高く勉強熱心な人にも向いています。

SIerとITコンサルの違い|キャリア編

以下2つの項目においても、SIerとITコンサルのキャリアには違いがあります。

  1. 平均年収
  2. キャリアパス

1つずつ説明します。

平均年収

一般的には、SIerよりもITコンサルのほうが年収が高い傾向があります。経済産業省が発表した資料(※1)から、それぞれの具体的な数値を確認しましょう。

SIerの平均年収

SIerの平均年収は、職種や企業によって大きく異なります。SIerのうち、「顧客向けプログラムの開発・実装」を行うSEの平均年収は593.7万円です。上位職の「高度SE」の平均年収は778.2万円、PMの平均年収は891.5万円になります。

ITコンサルの平均年収

ITコンサルの平均年収は、928.5万円です。平均値ですので、企業によっては年収1,000万円を超えるITコンサルタントも存在するでしょう。また、ITコンサルの役職もスキルや経験による違いがあります。ITコンサルの上位職である「マネージャー」であれば、平均年収よりも高いと思われます。

※1 参照:経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果

キャリアパス

SIerとITコンサルに就職・転職するのであれば、キャリアパスの計画も大切です。それぞれの違いを把握しておきましょう。

SIerのキャリアパス

SIerのキャリアパスは、「PG→SE→PM」と上級職に昇格していく流れが一般的です。あるいは、豊富な経験を積み、フリーランスエンジニアとして独立するパターンもあります。さらに、クライアントからの一次請けとなる大手SIerや、ITコンサルへの転職といったルートも選択肢となるでしょう。

ITコンサルのキャリアパス

ITコンサルは、所属企業でキャリアアップを目指す場合、「アナリスト→コンサルタント→マネージャー→パートナー」の流れで昇格していきます。転職先としては、より高収入なコンサルティングファーム、外資系企業、戦略・総合系のコンサル会社が挙げられます。SIerと同様に、独立も可能です。

また、ITコンサルはフリーランスもキャリアの1つです。ITコンサルのフリーランス需要は高く、高収入が期待できます。「Webコンサル」や「PMOコンサル」のようにスキルを細分化した募集案件も多数あるため、得意分野で実力を発揮できるでしょう。フリーランス向けマッチングサービスやエージェントが充実しており、効率良く案件を獲得できる環境も整っています。

SIerからITコンサルへ転職する人が多い理由

SIerに勤めている人は、以下4つのメリットによりITコンサルへの転職を目指すケースが多いです。

  1. ITの知識・経験を活かせる
  2. 年収上昇が見込める
  3. 大規模プロジェクトに参加できる
  4. 将来的なキャリアが広がる

具体的な理由を解説します。

ITの知識・経験を活かせる

ITコンサルの仕事は、SIerで培ったITの知識や経験を活かせます。SIerとITコンサルは、どちらもクライアントへITシステムを導入する立場です。SIer出身のITコンサルは技術的な理解が深いため、クライアントへより具体的な提案が可能になります。また、開発担当のSIerにも正確に発注できることから、システムの設計や開発段階における修正が少なくなるでしょう。

年収上昇が見込める

SIerからITコンサルへ転職すると、年収アップが期待できます。コンサルティングファームは、SIerよりも年収が高い傾向があるためです。当然ながら本人のスキルや実績によって年収は上下しますが、ITコンサルはIT業界の中でも高収入な職業と言えます。転職後すぐに年収が上昇しない場合でも、コンサルティングファームでキャリアを積むことでSIer時代よりも年収が上がる可能性があります。

大規模プロジェクトに参加できる

ITコンサルに転職すると、大きなプロジェクトに参画する機会が増えます。コンサルティングファームによって異なるものの、SIer以上に大企業のクライアントが多いからです。SIerでは体験できなかった大規模な案件に携われば、自身のスキルアップにつながります。大きなプロジェクトに挑戦したい人は、ITコンサルへの転職を検討すると良いでしょう。

将来的なキャリアが広がる

ITコンサルで経験を積むと、将来的なキャリアが広がります。ITコンサルの仕事はSIerよりも上流工程を扱うため、ビジネスに関する幅広い知見を得られます。将来的な転職先として、事業会社のIT部門や経営企画部門、戦略系コンサル会社といった選択肢の幅が広がるでしょう。SIerのキャリアは開発サイドに縛られがちですが、ITコンサルであればビジネスサイドへの選択肢も生まれるわけです。

SIerからITコンサルへの転職を目指す際のポイント

SIerからITコンサルへの転職活動を進める場合、スカウトサービスや転職エージェントを使うのではないでしょうか。こうしたサービスを利用する際は、下記2つの事前準備が大切です。

  1. 資格や新たな知見を取得する
  2. 志望動機やアピールポイントの整理

重要なポイントを確認しましょう。

資格や新たな知見を取得する

ITコンサルへの転職を目指す場合、ビジネススキルに関する資格の取得がおすすめです。たとえば、「中小企業診断士」や「ITコーディネータ」といった資格があります。「基本情報技術者試験(FE)」などのIT系資格も取得すれば、自身のIT知識の客観的な証明が可能です。また、ITコンサルはクライアントの経営部分に深く関わるため、書籍を活用してビジネスや経営の知識を身につけると良いでしょう。

志望動機やアピールポイントの整理

転職活動の面接に備えるべく、これまでの実績や志望動機の整理も重要です。マネジメントや参加プロジェクトの経験、PMやSEとして習得したスキル、自分の役割などのアピールポイントをまとめておきましょう。加えて、ITコンサルを目指す志望動機も必要です。抽象的な理由ではなく、「大きなプロジェクトに参画し、経営視点による業務改善に挑戦したい」といった具体性を持たせましょう。

SIerとITコンサルの違いとは? 業務内容やスキル・年収・転職のポイントを解説まとめ

SIerとITコンサルは混同されやすい職種ですが、業務内容や求められるスキルには大きな違いがあります。一般的に、ITコンサルはSIerよりも平均年収が高いため、SIerから転職する人は多数います。SIerからITコンサルへの転職を望むのであれば、まずは両者の違いを正確に理解することが大切です。

フリーランスのコンサルタントはTHE CONSULへの登録がお勧め

THE CONSULは、外資コンサルティングファームなどの出身のフリーランスのコンサルタント経験があるメンバーが在籍しています。利用者目線で徹底的に「こんなサービスがあったらいいな」を考え抜いた、フリーランスのコンサルタント向けマッチングプラットフォームです。

フリーランスのコンサルタント経験者がサービス提供しているため、案件の解像度を高めることに注力し参画後のギャップを最小限に抑えることを実現しています。

また、エンドクライアントからの直案件にこだわり、手数料も業界最安水準の8%~設定しています。例えばクライアント企業から200万円/月単価で出てきた案件を、手数料を差し引いて120万/月単価でお受けた場合、クライアント企業の期待値コントロールが難しいです。しかし、THE CONSULなら手数料が安いので、ご自身の収入を増やすことが可能です。

今後フリーランスのコンサルタントとして活動してみたいという方向けに、フリーランスのコンサルタント経験者による相談もご用意しております。まずはお気軽にご登録ください。

こちらの記事もお勧めです!

この記事をシェアする:
記事一覧へ戻る

CONTACT

お問い合わせ

当社には元フリーコンサルタントが複数名在籍。
今後コンサルタントとして独立をお考えの方、キャリア形成にお悩みの方からのご相談もお受けしておりますので、
お気軽にお問い合わせください。

無料コンサル登録はこちら