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AIコンサルタントとは?転職する方法やメリット、平均年収、業務内容を解説

近年、事業にAIを活用する企業が増えています。AI導入とともに需要が高まっている存在が、「AIコンサルタント」です。AIコンサルタントは将来性が期待できることから、転職やフリーランスとして人気の職業です。この記事では、AIコンサルタントの業務内容や必要なスキル、転職方法などの情報を詳しく解説します。

AIコンサルタントとは

AIコンサルタントとは、クライアントの経営や業務上の課題を発見し、AI(人工知能)による解決策を提案するコンサルタントです。クライアントの現状を調査し、課題に対して最適なAIソリューションを提案して導入を支援します。

企業におけるAI活用が急速に広がるなか、AI導入そのものが目的化してしまうケースが多くあります。AI導入が目的化してしまうと本来の課題を解決できず、コストに見合った成果を得られません。AIコンサルタントに依頼することで、企業は課題に応じたAI技術をビジネスに活用できるわけです。

主な役割

AIコンサルタントの役割は、主に次の2つに分かれます。

  • 業務改善のためのAI導入支援
  • AIを活用した新たな製品やサービスの開発支援

業務改善の場合、たとえばコールセンターにAIチャットボットを導入すれば、問い合わせ数削減による業務効率化が可能です。一方、製品開発であれば、機械学習などのAI技術を新製品に搭載します。こうした企業によるAI活用を、AIコンサルタントは包括的にサポートします。

AIコンサルタントの業務内容

AIコンサルタントの業務内容は、次の4つに分けられます。

  1. ヒアリングと現状調査
  2. 分析と計画立案
  3. AI導入のマネジメント
  4. 評価と改善

実際の仕事の流れに沿って、具体的な業務を見ていきましょう。

ヒアリングと現状調査

はじめに、クライアントの悩みや要望を聞き出し、現状を調査します。クライアント企業の既存システム、利用状況、業務フローなどの現状を把握し、問題点とニーズを明確化します。

分析と計画立案

続いて、クライアントの課題の原因を分析します。課題解決に最適なAIソリューションを提案し、導入計画および運用計画を立ててクライアントに提案します。また、そもそもAI導入が必要であるか、AIによって解決すべき課題であるかの判断も必要です。

評価と改善

AIコンサルタントは、AIソリューションの導入だけでなく運用段階の支援も重要です。AIソリューション導入による効果測定を実施し、改善点を見つけます。具体的な改善策を立案・実行し、評価と改善を繰り返していきます。

AIコンサルタントに求められるスキル

AIコンサルタントとして働くためには、以下5つのスキルが求められます。

  1. AIと機械学習の知見
  2. 「Python」などのプログラミング言語の知識
  3. 幅広いビジネススキル
  4. コミュニケーション能力
  5. マネジメントスキル

各スキルの必要性を説明します。

AIと機械学習の知見

当然ながら、AIコンサルタントはAIに関する専門的な知見が必要です。機械学習、数理最適化、自然言語処理など、AIに関する広範な知識への理解が欠かせません。AIで実現できるサービス、できないサービスを理解しておくことで、顧客への提案の幅が広がるでしょう。

「Python」などのプログラミング言語の知識

AI開発に用いるプログラミング言語について、一定の知識が不可欠です。AIコンサルタントが手を動かして開発するケースは少ないものの、知識があれば具体的なAIシステムを考案できます。数あるプログラミング言語の中で、「Python」は数理最適化に使用されている代表的なAI開発言語です。その他、「C++」「R」「Java」などの習得もおすすめです。

幅広いビジネススキル

AIやIT関連の知識に加え、AIコンサルタントは以下のようなビジネススキルも求められます。

  • 資料作成スキル
  • プレゼンテーション力
  • ロジカルシンキング
  • 課題解決力

こうしたビジネススキルがあれば、「このAIソリューションを導入する必要性」などの根拠を的確にクライアントに提示できるでしょう。

コミュニケーション能力

顧客の要望を的確に汲み取るためには、優れたコミュニケーション能力が必須となります。AIコンサルタントが案件に取り組む際は、経営層や現場の従業員と広く関わるスタイルが一般的です。また、AIシステム開発側のエンジニアとも関わります。多くの相手と柔軟にコミュニケーションを取ることで、円滑なプロジェクト進行が可能です。

マネジメントスキル

AIコンサルタントはプロジェクトを管理するため、高度なマネジメントスキルが必要です。適切な納期設定やプロジェクトの進捗管理、人員の調整といった高度な計画性が求められます。マネジメントが疎かになれば納期遅れなどのトラブルが起きかねないため、AIコンサルタントは重要な役割を担います。

AIコンサルタントの平均年収

前提として、AIコンサルタントの平均年収を示す直接的な統計はありません。とはいえ、業務領域が近い「AIエンジニア」「ITコンサルタント」「経営コンサルタント」の平均年収を見ると、AIコンサルタントの平均年収がイメージしやすくなります。

  • AIエンジニア:平均年収534.6万円(※3)
  • ITコンサルタント:平均年収660.4万円(※3)
  • 経営コンサルタント:平均年収780.9万円(※3)

日本の平均給与は458万円(※4)なので、いずれの職業も平均値を上回っています。AIコンサルタントは高度な業務領域を扱う上、成り手が少ないポジションです。ゆえに、一般的には600万〜1,000万円が年収相場とされています。フリーランスのAIエンジニアであれば、さらに高い報酬が見込めるでしょう。

※1 参照:厚生労働省 job tag(職業情報提供サイト)「AIエンジニア 職業詳細

※2 参照:同上「ITコンサルタント 職業詳細

※3 参照:同上「経営コンサルタント 職業詳細

※4 参照:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査

AIコンサルタントの求人例

例として、AIコンサルタントの実際の求人における年収を紹介します。

  • [1] :月給100万円〜133.3万円
  • [2] :月給105万〜115万円

(求人参照元:株式会社スタンバイ

上記以外にも、年収1,000万円を超える求人が多数掲載されています。実際の求人例から見ても、AIコンサルタントの報酬は正社員・フリーランスともに高額なようです。

AIコンサルタントとして働くメリット

コンサルタント業界の中には、「経営コンサルタント」や「戦略コンサルタント」といった職種があります。AIコンサルタントならではのメリットとして、次の3つが挙げられます。

  1. AI導入の需要が高く将来性がある
  2. 転職の選択肢が広い
  3. フリーランスとして独立も可能

AI導入の需要が高く将来性がある

AIを導入する企業は年々増えており、比例してAIコンサルタントの必要性も高まっています。IBMの調査(※1)によれば、2022年度における世界の企業のAI導入率は35%に達しました。さらに、42%の企業がAI導入を検討しているため、AIコンサルタントのさらなる需要増加が期待できます。また、業務に生成AIを採用する企業も登場しており、AIの専門家であるAIコンサルタントは将来性がある職業と言えます。

※1:参照 IBM「世界のAI導入状況 2022年

転職の選択肢が広い

AIコンサルタントは、転職しやすい点も魅力の1つです。たとえば、AIに関する知見やシステム開発の技術力により、一次請けSIerのITコンサルタントやプロジェクトマネージャーへの転職が考えられます。コンサル経験を活かせば、外資系コンサルティングファームや、事業会社の経営企画部などの選択肢もあります。AIコンサルタントはさまざまな業界の企業と関わるため、異業種への転職も比較的チャレンジしやすいでしょう。

フリーランスとして独立も可能

AIコンサルタントの経験を積めば、フリーランスとしての独立も可能になります。フリーランス求人専門の「フリーランスマッチングサービス」には、多数のAIコンサル案件が存在します。月収100万円を超える案件も多くあり、優れたAIコンサルタントであれば正社員時代よりも年収アップが可能です。さらに、将来的には専門性の高いブティックファームの起業も視野に入れられます。

関連記事:女性のフリーランスってどうなの?女性にフリーランスをおすすめする理由とは?そのメリットは?

AIコンサルタントになるには?

AIコンサルタントは将来性があり、就職先や転職先として注目を集めている職業です。これからAIコンサルタントを目指す場合、どのような方法でチャレンジすれば良いのでしょうか。

【学生の場合】大学の理工学部や情報学部でAIについて学ぶ

学生からAIコンサルタントを目指す場合、大学の理工学部や情報学部でAIについて学ぶと良いでしょう。情報系の学科に進学することで、AIおよび情報技術について専門的な学習が可能です。大学卒業後は、AIコンサルティングサービスを提供するコンサルティングファームに就職します。

【社会人の場合】SIerやコンサルティングファームに転職する

社会人の場合、第二新卒または中途採用でSIerやコンサルティングファームに転職します。転職していきなりAIコンサルタントになるのではなく、ジュニアコンサルタントやアナリストから経験を重ねる場合もあります。なお、コンサルタントやエンジニアとしての経験を求められるケースが多く、全くの業界未経験からの転職はハードルが上がる点を留意しましょう。

関連記事:SIerとITコンサルの違いとは? 業務内容やスキル・年収・転職のポイントを解説

資格取得もおすすめ

AIコンサルタントになるために必須の資格はないですが、以下の資格があると転職で有利になる可能性があります。

  • 基本情報技術者試験:ITシステム開発に必要な基礎知識を証明する試験
  • Pythonエンジニア認定試験:Pythonの専門知識を証明する試験
  • E資格:AIに関する専門知識を証明する資格

上記のようなAIコンサルタントに適した資格を保持していると、自分の実力をアピールできます。

AIコンサル会社の例

AIコンサルタントは、実際にどのような企業で働いているのでしょうか。ここでは、代表的な企業を以下3社紹介します。

  1. 株式会社野村総合研究所
  2. NTTデータ先端技術株式会社
  3. アクセンチュア株式会社

各社の特徴を簡潔に解説します。

株式会社野村総合研究所

野村総合研究所(NRI)は、コンサルティングおよびITソリューションサービスを提供している情報サービス企業です。民間企業や官公庁など、さまざまな顧客のコンサルティングを手掛けています。自社で培ったAI開発のノウハウを活かし、AIコンサルティングサービスを提供しています。

NTTデータ先端技術株式会社

NTTデータ先端技術株式会社は、ITインフラの基盤設計や構築、セキュリティ対策を行う企業です。ITインフラの構築・運用で得た技術を活用し、データ収集や分析、AIシステムの開発、導入後の学習データ最適化など、企業のAI活用を幅広く支援しています。

アクセンチュア株式会社

アクセンチュアは、世界49ヶ国に支社を置く大手コンサルティングファームです。日本でもコンサルティングサービスを展開しており、企業へのAIコンサルも行っています。アクセンチュアが独自開発した「AI HUB プラットフォーム」を活用し、企業のAI導入をサポートしています。

AIコンサルタントを目指す上での注意点

AIコンサルタントは魅力的な職業ですが、就職や転職を目指す際は下記2点に注意が必要です。

  1. AI技術についての継続的な勉強が必要
  2. 将来的なキャリアプランを考える

具体的なポイントを説明します。

AI技術についての継続的な勉強が必要

AIコンサルタントは、継続的な学習が大事な職種です。クライアントに最適なAIシステムを提案するためには、常に最新のAI技術を把握していなければいけません。そのため、知識のアップデートや、新たな情報の収集が求められます。AIなどのテクノロジーに対して興味関心があれば、問題なく学習を続けられるでしょう。

将来的なキャリアプランを考える

AIコンサルタントに限った話ではないですが、将来的なキャリアプランを考えることも重要です。「同じ会社でキャリアアップしていく」「経営コンサルタントに転職する」「フリーランスとして独立する」など、具体的な目標を考えておきましょう。目標があることで、どのようにスキルアップしていくかなどの計画が立てやすくなります。

将来的にAIコンサルタントの仕事はなくなる?

2022年から始まった生成AIブームにより、「AIコンサルタントの仕事がなくなるのでは」と不安に思う人もいるかと思います。結論として、AIコンサルタントの仕事がなくなる可能性は低いでしょう。どれほどAIが発達しても、AIコンサルタントのようなAIを使う側の人間は必要だからです。AIコンサルタントはAI技術を熟知し、企業に最適なAIソリューションを提供する立場になります。また、転職やフリーランス化がしやすい点も、AIコンサルタントの強みです。

AIコンサルタントとは?まとめ

AIコンサルタントは、クライアントに最適なAIを導入し、経営や業務上の課題を解決する職業です。実際の求人の報酬は高い傾向があり、フリーランス向け案件では月収100万円を超える求人もあります。企業のAI利用の増加を受け、AIコンサルタントの需要は高まっています。これからさらにAI導入の動きが加速すれば、より一層AIコンサルタントが必要とされるでしょう。

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Shine Craft株式会社 代表取締役 濱口浩平
監修者
濱口浩平
Shine Craft株式会社 代表取締役
・2008年野村総合研究所入社、外資コンサルティングファームを経て、2015年よりフリーコンサルタントして活動開始。これまで、IT戦略、DX推進、新規事業策定、PMO、システム導入など幅広いプロジェクトを経験。
・2022年Shine Craftを共同創業
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