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コンサルティング業界の現状と今後求められることは何か?

コンサルティング業界は現在、市場規模が拡大しています。しかし一方で、DXの推進や生成AIの台頭により、さまざまな変化に直面しているのが現状です。市場が拡大するなかで、競争も激しくなっています。このような状況下で、コンサルタントが今後求められることは何なのでしょうか。

本記事では、コンサルティング業界の現状と将来性、今後求められることについて解説していきます。

コンサルティング業界とは

コンサルティング業界とは、課題を抱えている企業に対し、解決のサポートをする業界のことです。具体的には、会計・人事・経営・ITなどの領域があり、それぞれの専門的な知識を有するコンサルタントが企業の現状を把握し、課題に対する解決策を提示したり、指導・企画立案を行ったりします。コンサルティング企業は、クライアント企業の経営改善や業務効率化により、企業の成長をサポートします。

コンサルティング業界の種類

コンサルティング業界には、「総合コンサルティングファーム」「戦略コンサルティングファーム」「ITコンサルティングファーム」など、さまざまな種類があります。ここでは、5つの種類の詳細を解説します。

種類①総合系コンサルティングファーム

総合系コンサルティングファームは、広範囲の業界や組織に対して総合的なアドバイスや改善策の提示を行います。扱うテーマには、以下のようなものが挙げられます。

  • 業務オペレーション改善
  • システム構築
  • 人材育成
  • グローバル戦略
  • ITシステムの導入

仕事の領域が幅広いため、大規模なコンサルティングファームが多く、海外に拠点を抱えている企業もあります。

種類②戦略系コンサルティングファーム

戦略系コンサルティングファームでは、企業の経営層が抱える課題解決を行います。扱うテーマは、以下の通りです。

  • 事業計画
  • 戦略立案
  • 新規事業立案
  • 経営方針
  • IT戦略

クライアントの経営における課題を理解し、事業計画や戦略立案など、上流フェーズの改善を行い、企業収益の向上を目指します。

種類③IT系コンサルティングファーム

IT系コンサルティングファームでは、ITを活用して企業の課題を解決します。具体的な業務内容は以下の通りです。

  • IT投資計画の策定
  • 必要なツールの導入・支援
  • システムの分析・選定

人の手で行っていた作業をIT化することにより業務効率の向上が可能になり、収益アップにもつながります。

関連記事:ITコンサルタントが独立してフリーランスになるには?未経験OK?案件や年収も紹介

種類④人事系コンサルティングファーム

人事系コンサルティングファームでは、人事部門の問題解決を行います。扱うテーマは、以下の通りです。

  • 採用活動支援
  • 人材育成
  • 人事制度の構築
  • 給与・退職金などの制度設計

働き方や従業員の意識が多様化しているため、人材系コンサルティングへのニーズが高まっています。また、グローバル化にともない、海外人材の採用や海外企業とやり取りできる人材の育成を求めている企業も増えています。

種類⑤国内独立系コンサルティングファーム

国内独立系コンサルティングファームとは、日本発祥の国内系コンサルファームのことです。特定の大手企業に属さず、経営や業務、人事などさまざまなコンサルティングを行います。具体的な業務内容は、以下の通り。

  • 工程改善
  • コスト削減
  • 業務効率化

クライアントの多くは地域に根差した企業や中小企業であり、現場レベルの課題への対処を得意としています。

関連記事:コスト削減コンサルティングとは?コストマネジメントとの違いや施策内容など

外資系と日系コンサルの違い

ここからは、外資系と日系コンサルの違いについて解説します。

違い①企業風土

外資系と日系では、企業風土にさまざまな違いが見られます。例えば、日系コンサルでは年功序列が色濃く残っているのに対し、外資系は能力や成果を重視した実力主義です。「昇進するか、そうでなければ退職するか」というUp or Outの文化が根付いていていることから、成果が出せなければ退職を選ぶこともあります。日系コンサルではUp or Outの傾向はほとんどなく、離職率が低い傾向です。

また、外資系は残業が多いのに対し、日系は残業が少ないという特徴もあります。ただし、働き方改革の影響もあり、残業は減少傾向にあります。

違い②契約形態

外資系では、プロジェクトごとに複数名のコンサルタントでチームを作る「プロジェクト制」が一般的です。多数の案件を掛け持つのではなく、1~2件程度のプロジェクトに集中し、プロジェクトが終了するまでクライアント企業に常駐することが多い傾向です。 日系ファームでは、定期的にクライアントをサポートする「顧問制」が一般的です。一人のコンサルタントが数件のクライアントと契約を結ぶことも多くあります。長期にわたり定期的にクライアントを訪問し、経営者の相談に乗ったり、課題の解決策を提案したりします。

違い③求められるスキル

外資系・日系ともに求められるスキルに大きな違いはありません。しかし、外資系の企業は世界中に拠点を持っていることが多いため、英語スキルが必要になる場合もあります。外資系では、最低でもTOEIC800点以上の英語力が求められます。

コンサルティング業界の現状

コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社の「日本国内のコンサルティング業界規模は、1兆8,281億円(2022年度)|コンサル市場規模2023年版~前半~」によると、2017年に日本国内コンサルティングの市場規模が9,644億円だったのに対し、2021年は15,761億円、2022年は18,281億円と上昇傾向にあります。市場規模が拡大しているため、成長の余地があるといえます。

コンサルティング業界の将来性

コンサルティング業界は拡大傾向にあるため、コンサルタントの仕事は今後も増えていくと考えられます。ここでは、コンサルティング業界に将来性がある2つの理由を解説します。

専門的な経験やスキルが求められる

コンサルティング業界では、専門的な経験やスキルが不可欠です。インターネットで経営に関する情報を手軽に得られる時代になりましたが、知識があるだけと実際に取り組むのでは大きな違いがあります。

経営者が求めているのは、結果に責任を持ち、確実に成果を出せる優れたコンサルタントです。そのため、実力が伴わないコンサルタントは淘汰されていくでしょう。近年、多くのコンサルティングファームが経験豊富な人材の採用に注力しています。

経営者がコンサルタントを活用するのは、課題解決にかかる時間と手間を短縮したいからでもあります。ビジネス環境が急速に変化する中、迅速に結果を出せるコンサルタントの需要はますます高まるといえるでしょう。

需要が高い分野がある

コンサルティングには、ITや医療・ヘルスケア、組織人事などさまざまな分野がありますが、需要はそれぞれで異なります。今後、需要が高まる分野はIT系コンサルタントです。現在、政府がDXを推進していることもあり、企業の多くがDX化を進めています。

しかし、デジタルテクノロジーを活用する環境が整っていない・ITに精通した人材がいない企業が多いのが現状です。経済産業省のレポートによると、企業がDXを実現できない場合、最大12兆円の経済損失が生じる可能性があるとしています(2025年の崖)。そのため、優れたIT系コンサルタントの需要は増加し続けるといえるでしょう。

参考:経済産業省「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

コンサルタント業界が直面する変化

コンサルタントの需要は高まっていくとお伝えしましたが、今後どのような変化が起こっていくのでしょうか。ここでは、コンサルタント業界が直面する変化を解説します。

実行支援案件が増加する

昨今、戦略の策定だけでなく、実行まで一貫して支援する「実行支援案件」が一般的となっています。特に、最近は政府のDX推進・コロナ禍の影響もあり、DXのニーズが高まっています。コロナ禍によりDX経営の動きが加速し、多くの企業が取り組みを開始しました。今後は、デジタルツールを活用しながらDX経営を構築する段階に入る企業が増えると予想されます。そのため、実行支援やPDCAサイクルの運用までを含むプロジェクトも増加していくでしょう。

プロジェクトの需要増加の背景には、生成AIの台頭が挙げられます。ChatGPTをはじめとする生成AIが次々と登場し、2023年に急速にビジネスに導入されました。これにより、業務効率化や新規事業開発などにおいて、生成AIを活用するプロジェクトが急増しています。

また、大企業の変革において、DXや業務改善に関わるコンサルティングの需要が高まっています。業務効率化を目指す場合、提案はもとより、業務の再設計・システムの実装まで網羅的な支援が必要です。 こういった背景からも、今後は実行支援案件が増加すると考えられます。

関連記事:DXコンサルタントとは?将来性や仕事内容、転職に必要なスキルを解説

外資系コンサルの事業が失速する

2023年、マッキンゼー・アンド・カンパニーやKPMGといった外資系コンサルで大規模リストラや採用の募集停止などが行われました。この背景から外資系コンサル事業は失速の兆候がみられるといえます。

一方で、日本のコンサル市場は拡大傾向にあり、好調を維持しています。外資系と日系でこのような差ができてしまった要因の1つに挙げられるのが、プロジェクト単価の制約です。円安の影響で、東京オフィスのプロジェクト単価が低下し、本国から単価の上昇が求められています。これにより受注数が減少し、日本支社の業績や採用に影響が出ています。

海外オフィスの経営不振も要因の1つです。欧州の不安定な情勢や米国の経済停滞、インフレなどが原因で、海外ファームのプロジェクト依頼が減少しています。その結果、日本支社においてもプロジェクトを受注できなくなり、採用停止の命令が出されるなどの影響が出ているのです。

こういった理由から外資系からの乗り換えが増加し、日系ファームの受注数が増えています。DX需要拡大により、IT系ファームの案件数も増加傾向にあります。M&A戦略支援の需要が高まっているFAS系ファームも好調です。

しかし、一部の外資系ファームでは採用再開の動きを見せているため、失速のスピードも緩まる可能性もあります。

中堅層の採用が拡大する

以前は、第二新卒から30代前半の人材を積極的に採用していましたが、最近では40歳以上のコンサル未経験者の採用が増える傾向にあります。この変化の要因の一つに挙げられるのが、新卒採用の動向です。近年、コンサルティング業界は非常に人気が高まっており、新卒採用数が計画以上に増え、若手コンサルタントが過剰となっています。これにより、中堅・マネジメント層が足りなくなっているのです。

最近では、業務改善の実行支援案件、SDGs・AI・IoTといった新しいテーマのプロジェクトが増加しています。そのため、新しいテーマに関するプロジェクト経験を持つ人材や専門的な知識を持つ人材が求められるようになりました。

また、近年はスタートアップ企業や事業継承に悩む企業が、コンサル経験者を引き抜く動きが活発化しています。主な対象者はマネージャークラスの人材であるため、中堅層の不足が深刻化しているのです。 このような状況下で、コンサル業界では中堅層の採用が急務となっています。

関連記事:コンサルタントのキャリアパスとは?ポストコンサルとは?その実態を深掘り

今後のコンサルタント業界に求められること

今後、コンサルタント業界に求められることに挙げられるのが「プロジェクトの実行力」「突き詰めた専門性」です。それぞれの詳細を解説します。

プロジェクトの実行力

クライアントが求めているのは、解決策の提案だけではありません。現場における実行支援、つまり、プロジェクトを実行する力も重要になります。コンサルタントとして実行力を身につけるには、現場の状況に合った具体的な策を立てることが肝要です。

実行支援の実現のためには、経営層の意見をヒアリングして提案するだけでなく、現場スタッフの声にも耳を傾ける必要があります。そのため、プロジェクトを実行するために欠かせないコミュニケーション力や共感力、行動力のある人材が求められるといえます。

突き詰めた専門性

コンサルタント業界は人気が高くなっており、コンサルタント数も増えているのが現状です。優れた人材として選ばれるためには、自分の専門性を突き詰め、他者との差別化を図ることが欠かせません。 多くのコンサルティング会社では経験者の採用に重点を置いているため、未経験からの転職でも、特定の分野に深い知識があれば、採用される可能性は高いといえます。また、一般化したスキルや経験はAIによって置き換えられる恐れもあるでしょう。今後、選ばれる人材になるためにも、自身のスキルや経験を磨いていくことが大切になってきます。

コンサルティング業界の今後

DX推進や生成AIの台頭などにより、コンサルティング業界を求めるクライアントは増加しており、今後もさらなる成長が期待されています。DX推進により、デジタルテクノロジーへの投資が増えている反面、人材の採用や確保が困難になっているのが現状です。働き方改革の影響もあり、クライアントは即戦力を求め、業務を委託する傾向が強まっています。

IDC Japan株式会社の2021年の調査によると、2025年にはコンサルティング業界の市場規模が1兆2,551億円にまで達するとの結果がでています。この結果から見ても、コンサルティング業界の需要は今後も高まるといえるでしょう。

コンサルティング業界は今後も市場拡大の見込み

コンサルティング業界は、市場規模が拡大しており、成長の余地があります。DX推進に伴い、特に、IT系の分野で需要が増えていくと考えられるでしょう。

コンサルティング業界への人気が高まっているため、若手の人材が増加しています。クライアントから選ばれる人材になるためにも、プロジェクトの実行力や専門性、コミュニケーション能力など、さまざまなスキルを磨く必要性が欠かせないといえるでしょう。

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Shine Craft株式会社 代表取締役 濱口浩平
監修者
濱口浩平
Shine Craft株式会社 代表取締役
・2008年野村総合研究所入社、外資コンサルティングファームを経て、2015年よりフリーコンサルタントして活動開始。これまで、IT戦略、DX推進、新規事業策定、PMO、システム導入など幅広いプロジェクトを経験。
・2022年Shine Craftを共同創業
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