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セキュリティコンサルタントは独立できる? 独立に必要な資格や案件の受注方法とは

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セキュリティコンサルタントとは、企業や組織の情報セキュリティ対策をサポートする職業です。近年、フリーランスのセキュリティコンサルタント向けの案件が増えています。

フリーランスは報酬が高いイメージがあるため、独立を検討する人は多いでしょう。この記事では、セキュリティコンサルタントの独立について詳しく解説します。

フリーランスセキュリティコンサルタントとは

フリーランスのセキュリティコンサルタントとは、案件ごとの業務委託として、クライアントの情報セキュリティ対策を支援する職業です。会社員ではなく、個人事業主として働きます。事業が大きくなれば、法人化する場合もあるでしょう。コンサルティングファームやIT系企業でセキュリティコンサルタントとして働き、実務経験を得てから独立する人が多いようです。

フリーランスセキュリティエンジニアとの違い

セキュリティエンジニアとは、セキュリティコンサルタントと比較すると技術面に特化した職業です。基本的に経営分野には関与せず、クライアントが希望するセキュリティシステムを設計・納品します。対するセキュリティコンサルタントは、クライアントの経営課題にも関わる立場です。クライアントが要望するセキュリティシステムをあえて却下し、より良い提案をする場合があります。つまり、セキュリティエンジニアのさらに上流工程に携わるわけです。フリーランスであっても、どちらの職業も役割は変動しません。

フリーランスセキュリティコンサルタントの仕事内容

会社員やフリーランスであれ、セキュリティコンサルタントの仕事内容は共通しています。
プロジェクトによって、担当する分野が異なる点も変わりません。主な仕事内容は、以下の4つです。

1. セキュリティシステムの設計と実装
2. セキュリティ研修
3. セキュリティ評価や改善策の提案
4. インシデント対応フローの策定

具体的な業務や役割を解説します。

セキュリティシステムの設計と実装

セキュリティコンサルタントの仕事の1つが、クライアントの新たなセキュリティシステムの設計と実装です。案件によっては、既存システムの改修を担当する場合もあるでしょう。はじめにクライアントの現状のセキュリティ体制を調査し、システムや運用における課題を洗い出します。クライアントの事業に必要なセキュリティレベルと対策、使用するアプリケーション、システム全体の構成といった要素の検討も必要です。最後にセキュリティアーキテクチャを定義し、実装を支援します。

セキュリティ研修

クライアントの従業員のセキュリティ意識を引き上げるため、研修を行います。人的ミスによるインシデントを防ぐためには、情報資産の種類や扱い方、サイバー攻撃の手口といった基礎的な知識からの教育が大切です。また、企業のセキュリティ対策方針である「情報セキュリティポリシー」の定義もサポートします。情報セキュリティポリシーは企業の社会的信用の向上を狙い、従業員や取引先、顧客などのステークホルダーに広く公開されます。

セキュリティ評価や改善策の提案

クライアントのシステム全体のセキュリティレベルを評価し、リスクが高い部分に対する具体的な改善策を提案します。セキュリティ評価の手法には、システム全体のセキュリティ上の穴を検査する「脆弱性診断」があります。もしくは、システムへ実際に攻撃を仕掛けて防御能力を試す「ペネトレーションテスト(侵入テスト)」を実施するケースもあるでしょう。発見したリスクの深刻度を明らかにすることで、リスクが高い項目からの優先的な改善が可能です。

インシデント対応フローの策定

万一、インシデントが発生した場合に備え、対応フローを策定します。現代のサイバー攻撃は複雑化しており、完璧な事前対策は不可能とされています。そのため、サイバー攻撃を防げなかった場合の事後対策として、詳細な対処方法を示した対応フローが必要です。対応フローがあれば、システム障害や個人情報漏えいといった被害を最小限に食い止められるでしょう。

セキュリティコンサルタントが独立する理由

多くのセキュリティコンサルタントは、下記4つの理由によってフリーランス化しています。

1. 自分で働き方を調整できる
2. 収入を上げやすい
3. 幅広いビジネススキルが身につく
4. セキュリティコンサルタント自体の将来性がある

どのような理由なのかを見ていきましょう。

自分で働き方を調整できる

フリーランスは会社員ではないため、自分で稼働スケジュールを立てられます。「週休3日」「リモート勤務」「企業に常駐」など、自分の理想に合う案件を選べます。長期休暇も取りやすいため、プライベートを充実させたい人は独立に向いているでしょう。

収入を上げやすい

年収アップを目指し、フリーランスになるセキュリティコンサルタントも存在します。セキュリティコンサルタントだけでなく、会社員よりもフリーランスのほうが報酬が高い職業は多いです。実際の求人を見ると、報酬の高さがわかります。

● 金融向けコンサル求人:月収80万円
● 大手商社向けコンサル求人:月収120万円
● セキュリティ評価コンサル求人:月収160万円
(求人参照:フリーランスHub)

一般的に、セキュリティコンサルタントは、フリーランスになれば、1,000万円を大きく上回る年収を見込めるでしょう。

幅広いビジネススキルが身につく

フリーランスのセキュリティコンサルタントは、IT以外のビジネスを習得できます。具体的には、個人事業主になるため、経営や経理、税務などのスキルを得られるわけです。さらに、報酬や業務内容の調整の交渉を通して、交渉力や提案力を高められます。フリーランスとして同業者と競争した経験があれば、再転職する場合も選択肢の幅が広がります。

セキュリティコンサルタント自体の将来性がある

セキュリティコンサルタントの市場価値は高く、将来性がある職業です。さらに、IT人材自体が少ないため、経済産業省は2030年時点で最大79万人が不足すると発表しています(※1)。情報セキュリティの強化を課題とする企業が多い状況も加わり、セキュリティコンサルタントの需要は高まっています。フリーランス向けの案件が豊富なため、スキルや実績があれば安定して仕事を得られるでしょう。

※1 参照:経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課「IT人材育成の状況等について」

セキュリティコンサルタントが独立する際の注意点

セキュリティコンサルタントが独立する際は、次の3つに注意しましょう。

1. 駆け出しのころは収入が安定しない
2. 高度なスキルが求められる
3. 個人事業主としての作業が増える

注意点を詳しく説明します。

駆け出しのころは収入が安定しない

セキュリティコンサルタントにかぎらず、駆け出しのフリーランスは収入が安定しづらいです。独立してすぐに仕事を多くもらえる人は少ない上、高単価な案件の受注は難しいでしょう。開業当初は、実績づくりの期間が必要になる点を理解しておきましょう。次第にフリーランスとしての実績が増えれば、案件を獲得しやすくなり単価もアップしていきます。

高度なスキルが求められる

フリーランスは会社員よりも単価が高い分、即戦力としての活躍が求められます。セキュリティコンサルタントとして、専門的かつ高度なスキルが必須です。秀でたスキルや経験がない場合、なかなか仕事を獲得できないでしょう。低単価な案件しか受注できない可能性もあるため、独立前に自身のスキルを徹底的に高める必要があります。

個人事業主としての作業が増える

フリーランスのセキュリティコンサルタントになると、個人事業主ならではの作業が発生します。たとえば、毎月の帳簿管理といった経理作業や、年度末の税務作業を行わなくてはいけません。こうしたノンコア業務は、セキュリティコンサルタントの本業には無関係な作業です。ノンコア業務のために本業が圧迫されないよう、適切にタスクを管理しましょう。

セキュリティコンサルタントが独立する方法

セキュリティコンサルタントが独立する方法は、現在の職業によって異なります。以下2つのパターンに分け、独立までのキャリアパスを紹介します。

1. 未経験から目指すパターン
2. IT系エンジニアとして働いているパターン

詳細を説明します。

未経験から目指すパターン

現在、IT系エンジニアではない人は、まずはセキュリティエンジニアへの転職が必要です。未経験を募集している求人を探しましょう。セキュリティエンジニアとしてスキルを身につけたら、コンサルティングファームなどのセキュリティコンサルタントへ転職します。数年間は実務を重ね、実力と実績を高めてからフリーランス化しましょう。

関連記事:ITコンサルタントが独立してフリーランスになるには?未経験OK?案件や年収も紹介

IT系エンジニアとして働いているパターン

IT系エンジニアとして働いている人、または勤務経験がある人は、はじめにセキュリティコンサルタントへ転職します。中でも、セキュリティエンジニアやインフラエンジニアなどの職種であれば、歓迎されやすいでしょう。コンサルタントとエンジニアは業務内容が違うため、経験を積んでからの独立がおすすめです。

関連記事:フリーランスコンサルタントの独立準備は何が必要?貯金は?年収は?

関連記事:コンサルタントの副業の始め方とおすすめの副業サイト

セキュリティコンサルタントの独立に必要なスキル

セキュリティコンサルタントとして独立する場合、次の5つのスキルがあると良いでしょう。

1. 情報セキュリティ知識や実務経験
2. 情報セキュリティ製品の知識
3. ITインフラに関する技術的理解
4. 仮説思考力
5. コミュニケーション能力

どのような能力なのか、確認しましょう。

情報セキュリティ知識や実務経験

フリーランスのセキュリティコンサルタントは、会社員以上に情報セキュリティの専門的な知識や実務経験が必須です。クライアントの社内体制や事業、情報資産の種類によって、最適なセキュリティ対策は異なります。加えて、サイバー攻撃の手口は日々進化しており、絶えず新たな脅威が生まれています。目まぐるしく変化する脅威に対応するためにも、知識のアップデートが欠かせません。

関連記事:フリーランスの職務経歴書の書き方は?履歴書とはどう違うの?

情報セキュリティ製品の知識

情報セキュリティ関連のパッケージ製品は非常に多く、導入する場合はクライアントに適したソリューションの見極めが重要です。また、クライアントが現在使用している情報セキュリティツールについても、機能や可用性などを正しく理解する必要があります。情報セキュリティ製品の知識幅が狭ければ最適なソリューションを提案できず、万全なセキュリティ対策の構築が難しくなるでしょう。

ITインフラに関する技術的理解

ITインフラへの技術的理解は、セキュリティシステムの構築に欠かせません。サーバーやネットワーク、パソコンといった「ハードウェア」、OSとミドルウェアから成る「ソフトウェア」の関係性や役割を理解していなければシステムの構築は不可能です。その他、Webブラウザなどの機能を持つ「アプリケーション」の知識も必要でしょう。

仮説思考力

柔軟な仮説思考力も、セキュリティコンサルタントの仕事に役立つ能力です。セキュリティコンサルタントは、クライアントのセキュリティ上のリスクや被害を仮定します。仮定に沿って、効果的な対策を提案してインシデントを未然に防ぐわけです。さらに、インシデント発生時を想定した対応フローの作成にも、論理的な仮説思考力が求められます。

コミュニケーション能力

セキュリティコンサルタントは、IT系の技術職と比べると多数の人と接するポジションです。たとえば、クライアントヒアリング、施策の提案と説明、セキュリティ研修といった場面で大勢と関わります。さまざまな人の協力を得て仕事を進めなければいけないため、コミュニケーション能力は必須のスキルです。

独立したいセキュリティコンサルタントにおすすめの資格

セキュリティコンサルタントが独立を目指す場合、自分の強みのアピールが不可欠です。たとえば、下記5つの資格があれば、自分の実力を裏づけられます。

1. CISM(公認情報セキュリティマネージャー)
2. CISA(公認情報システム監査人)
3. システム監査技術者
4. ITストラテジスト
5. 情報処理安全確保支援士

おすすめのポイントを順番に紹介します。

CISM(公認情報セキュリティマネージャー)

CISM(公認情報セキュリティマネージャー)とは、企業や組織の情報セキュリティ対策の管理能力を認定する資格です。基本的な情報セキュリティ対策の立案、リスク分析・管理などの知識が問われます。資格の認定には、試験合格と「情報セキュリティ管理関連の実務経験(最大5年)」が必要です。

CISA(公認情報システム監査人)

CISA(公認情報システム監査人)とは、情報セキュリティ対策とシステム監査の専門性を認定する資格です。前述のCISMは情報セキュリティのマネジメントを中心とする資格ですが、情報システムの安全性や性能を評価する「監査」に焦点を当てています。資格の認定には、試験合格と「情報システム監査や管理などの実務経験(最大5年)」が必要です。

システム監査技術者

システム監査技術者とは、客観的な立場から情報システムの調査、検証、評価といった監査を行う専門家です。IT系国家資格の1つで、IPAが試験を実施しています。資格を取得することで、情報システムの評価や、具体的な改善策のアドバイスが可能になるでしょう。

ITストラテジスト

ITストラテジストとは、ITを駆使して企業の経営課題の解析や事業改革などのサポートを担うエキスパートです。IT分野の幅広く高度な知見が必要とされ、クライアントのIT戦略に深く関わります。IPAが試験を実施するIT系国家資格です。

情報処理安全確保支援士

情報処理安全確保支援士とは、非常に高度な情報セキュリティの知識を持つ専門家です。別名の「登録情報セキュリティスペシャリスト」を略して、「登録セキスペ」とも言います。IT系国家資格の中でも難易度が高く、資格保有者は優れた情報セキュリティ人材として実力を証明できます。

独立したセキュリティコンサルタントが案件を受注するには?

セキュリティコンサルタントとして独立した後は、次の3つの方法で案件を探しましょう。

1. 知人からの依頼
2. クラウドソーシングサイトの利用
3. フリーランスマッチングサービスの活用

それぞれ、メリットやデメリットと合わせて手法を説明します。

知人からの依頼

人脈が広い人であれば、知人からの依頼や紹介によって仕事を得られる可能性があります。会社員時代の職場や顧客から依頼されるパターンもあるでしょう。加えて、勉強会やセミナー、ビジネスSNSで培った人脈から依頼されるパターンも考えられます。人柄をある程度把握している関係性ゆえに仕事がしやすい一方で、人脈が狭い人には不向きな手法です。

クラウドソーシングサイトの利用

クラウドソーシングサイトとは、Webサイトでクライアントが個人に仕事を発注するサービスです。反対に、個人が自身のスキルを掲載し、クライアントから案件を依頼される形式もあります。仕事の受発注、連絡、報酬の支払いなど、すべての取引をサイト上で行えるため、トラブル防止に効果的です。ただし、報酬が低い案件も多数存在する点に注意しましょう。

フリーランスマッチングサービスの活用

フリーランスマッチングサービスとは、フリーランスの案件受注に特化したWebサイトです。「フリーランス向けの案件に応募」または「エージェントが企業とフリーランスをマッチング」により、仕事を獲得します。クラウドソーシングサイトより単価が高い案件が多く、安定して仕事を受注しやすい手法です。一方、スキルが低い人には、仕事を得づらいサービスでもあります。

関連記事:フリーランスのコンサルタント向けマッチングエージェントはどのようなサービス?

セキュリティコンサルタントの独立を成功させるポイント

フリーランスのセキュリティコンサルタントとして成功するには、以下4つのポイントが重要です。

1. 大規模な案件にチャレンジする
2. 多彩な分野や業界の案件を受ける
3. 必要に応じてクライアントと交渉する
4. 複数のクライアントと関わる

1つずつ解説します。

大規模な案件にチャレンジする

1つ目のポイントは、大規模な案件への挑戦です。フリーランスとして独立直後は、小規模な案件から初めても問題ありません。しかし、延々と小規模な案件ばかり引き受けていると、習得できるスキルの幅が狭まってしまいます。将来的には大きな案件にチャレンジすることで、セキュリティコンサルタントとして大きく成長できます。

多彩な分野や業界の案件を受ける

似たような案件ばかり受けず、多彩な分野や業界のプロジェクトを手がけましょう。「セキュリティ評価の案件のみ」「製造業界の案件のみ」など、特定分野のみ受注していては柔軟なスキルが身につきません。さらに、得意分野の案件がなくなれば、最悪は廃業せざるを得なくなるでしょう。自分の売りとなる得意分野の仕事は大事ですが、幅広い分野の受注も同じく大切です。

必要に応じてクライアントと交渉する

業務内容や自分のスキルに見合った報酬を得るためには、クライアントとの交渉が欠かせません。むやみに交渉する必要はありませんが、不満点がある場合はきちんとクライアントに条件を提示してみてください。とはいえ、独立直後はフリーランスとしての実績がないため、単価が低くなりがちです。実績を重ねて自分の評価を上げれば、将来的には納得できる案件のみ引き受けられるでしょう。

複数のクライアントと関わる

特定のクライアントだけでなく、数多くのクライアントと取引しましょう。複数のクライアントと仕事をすることで、仕事が途切れるリスクを減らせます。フリーランスマッチングサービスやクラウドソーシングサイトを活用すると、異なるクライアントとの接点を持ちやすくなります。したがって、案件を獲得する際は複数のチャネルの活用が重要です。

セキュリティコンサルタントは独立できる?まとめ

セキュリティコンサルタントは需要が高く、独立しても案件を獲得しやすいでしょう。実際、フリーランス向けの案件は豊富なため、スキルがある人は安定した事業継続が期待できます。月収100万円以上の案件が多数あり、フリーランスの中でも高水準な職種と言えます。年収アップを目指す人は、フリーランス化を検討してみてはいかがでしょうか。

フリーランスのコンサルタントはTHE CONSULへの登録がお勧め

フリーコンサルタントの登録や案件紹介を行うTHE CONSULは、フリーランスのコンサルタント経験者同士が、利用者目線で徹底的に「こんなサービスがあったらいいな」を考え抜いた、フリーランスのコンサルタント向けマッチングプラットフォームです。

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Shine Craft株式会社 代表取締役 濱口浩平
監修者
濱口浩平
Shine Craft株式会社 代表取締役
・2008年野村総合研究所入社、外資コンサルティングファームを経て、2015年よりフリーコンサルタントして活動開始。これまで、IT戦略、DX推進、新規事業策定、PMO、システム導入など幅広いプロジェクトを経験。
・2022年Shine Craftを共同創業
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