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フリーランスのPMやPMOとして独立する際、気になるのが単価ではないでしょうか。適切に単価を設定するためには、相場のリサーチが必要です。この記事では、フリーランスのPM・PMOの単価相場や、単価を高める方法を解説します。
フリーランスのPM・PMOとは
はじめに、フリーランスのPMとPMOの基礎知識から確認しましょう。
フリーランスのPM(プロジェクトマネージャー)とは
PM(プロジェクトマネージャー)とは、プロジェクトの企画、進行、スケジュール管理などの業務を行う職業です。プロジェクトの責任者として、コンサルティングやシステム開発などの案件に携わります。フリーランスのPMは会社から独立し、個人として案件を請け負います。クライアントと契約を結ぶ場合、業務委託契約を締結するケースが一般的です。
フリーランスのPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)とは
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)は、PMをサポートする職業またはチームです。プロジェクトマネジメントの専門家であり、「PMOコンサルタント」とも呼ばれます。PMOを常設している企業のほか、プロジェクトごとに外部企業へPMOの参画を依頼する会社もあります。フリーランスとして働く際の契約形態は、PMと同じく業務委託契約が主流です。
関連記事:PMOに必要なスキルとは?業務内容や向いている人、おすすめの資格を解説
未経験からフリーランスのPM・PMOになれる?
PM・PMOともに、未経験からいきなりの独立は非現実的です。PMやPMOに限らず、個人で活動するフリーランスは会社員以上にスキルと実績が重要視されます。今後、フリーランスのPM・PMOとして働きたいのであれば、まずはコンサルティングファームなどの企業で実務経験を積みましょう。
フリーランスのPMとPMOの違い
フリーランスのPMとPMOの違いについて、次の4項目に分けて解説します。
- ポジションや役割
- 仕事内容
- 求められるスキルセット
- 向いている人
具体的な違いを見ていきましょう。
ポジションや役割
PMのポジションは、プロジェクトを総括する責任者です。プロジェクトに関する意思決定をする役割があります。また、プロジェクトの納期や品質に対する責任を持ちます。対するPMOのポジションは、PMの補佐です。PMが的確かつスムーズに意思決定できるように、プロジェクトマネジメントを専門的に後方支援します。
仕事内容
PMの仕事内容は、プロジェクトの全体的な管理です。たとえば、スコープ管理、スケジュール・進捗の管理、リスク・品質の管理、リソース管理、コストなどの調整といった業務です。一方、PMOの仕事内容はPMの支援に加え、プロジェクトマネジメントの標準化といった業務も行います。PMOがPMを支えることで、膨大になりがちなPMの作業量を抑えられます。
求められるスキルセット
PMとPMOの双方に必要なスキルは、以下の通りです。
- マネジメントスキル
- コミュニケーション能力
- さまざまな業界や技術の知識
さらに、PMはプロジェクトの責任者として「課題解決力」も欠かせません。PMOは、プロジェクトマネジメントの標準化などの場面で「文書作成力」が求められます。
向いている人
PMに向いている人材は、リーダーシップがある人やコミュニケーション能力が高い人です。プロジェクトを指揮する立場なため、メンバーをまとめられる人物であるかが重要になるでしょう。一方でPMOに向いている人は、サポート力・ヒアリング力が高い人や、交渉および調整が得意な人が当てはまります。PMOは多様な立場の人々の間に入るポジションであり、他者に寄り添う姿勢が不可欠です。
フリーランスのPM・PMOの単価相場と平均年収
フリーランスのPM・PMOの単価相場と平均年収をそれぞれ紹介します。
フリーランスのPMの単価相場と平均年収
一般的に、フリーランスのPMの単価相場は、月収100万〜250万円とされています。単純に単価×12ヶ月で計算した場合、フリーランスのPMの平均年収は1,200万〜3,000万円です。案件の単価は、プロジェクトの内容やPMの能力・実績に左右されます。
フリーランスのPMOの単価相場と平均年収
フリーランスのPMOの単価相場は、月収80万〜200万円と開きがあります単価×12ヶ月で算出した平均年収は、960万〜2,400万円です。PMと比べると平均年収は下がるものの、令和4年度の日本の平均年収458万円を大きく上回っています(※1)。また、PMと同様に能力や案件の内容によって単価は上下します。
※1参照:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」
フリーランスのPM・PMOが案件を獲得する方法
フリーランスとして活動するためには、下記4つの方法で案件を獲得しましょう。
- 知人などの人脈
- SNSや個人サイト
- クラウドソーシングサイト
- フリーランスマッチングサービス
それぞれの特徴とメリット・デメリットを説明します。
知人などの人脈
知人や会社員時代の顧客といった人脈を活用し、案件を紹介してもらう方法です。円満退社であれば、前職から依頼を受ける可能性もあります。すでに信頼関係を築けているパターンが多く、失注が起きづらいでしょう。対するデメリットとして、人脈が狭い場合には難しい手法と言えます。人脈を広げたい場合は、フリーランスが集まるビジネス交流会やセミナーへ参加すると良いでしょう。どちらも営業の場ではないですが、異業種や経営層の人々と交流することで新たなビジネスパートナーと出会える確率が高まります。
SNSや個人サイト
SNSを集客に利用して認知度を高めることで、新規顧客を得やすくなります。たとえば、以下のSNSが集客に向いています。
- X(旧Twitter)
- Bluesky
- LinkedInなどのビジネスSNS
また、SNSと併用して、個人サイトの制作もおすすめです。実績やプロフィールをまとめれば、自身の信頼性を強化できます。「WordPress」のような簡単にWebサイトを立ち上げられるサービスを利用すると、誰でも気軽に個人サイトの制作が可能です。一方で、SNSや個人サイト上の立ち振る舞いには、細心の注意が必要になります。
クラウドソーシングサイト
クラウドソーシングサイトとは、仕事の受発注が可能なWebサービスです。フリーランスのPM・PMOは基本的に仕事の受注側として登録し、掲載されている案件に応募します。反対に、フリーランスが自身のスキルをサービス上に提示し、クライアント側からの仕事依頼を待つ形式のサービスもあります。クラウドソーシングサイトを活用することで、効率的な仕事探しが可能です。なお、サイトによっては掲載数が非常に多いため、相場から乖離した低単価な案件がまぎれている点に注意しましょう。
フリーランスマッチングサービス
フリーランスマッチングサービスとは、企業とフリーランスによる仕事の受発注を仲介するサービスです。多くのサービスには専任のアドバイザーが在籍しており、フリーランスのスキルや希望にマッチする案件を紹介しています。クラウドソーシングサイトよりも高単価な案件が比較的多く、アドバイザーによる手厚いサポートが強みの手法です。万一のトラブルにはアドバイザーが対応してくれるため、安心して仕事を受注できるでしょう。ただし、スキルや経験が未熟な場合、なかなか適切な案件を紹介されない可能性があります。
関連記事:フリーランスの案件探し11選、紹介が途切れない方法
フリーランスのPM・PMOが単価設定する際の注意点
フリーランスは自ら案件に応募するだけでなく、「フリーランスマッチングサービスによる紹介」や「クライアントからの依頼」によって仕事を得る場合もあります。事前に自身の単価を設定しておけば、スムーズに仕事を受注できます。単価を設定する際は、下記3つのポイントに気をつけましょう。
- 同業者の相場を調査する
- 自分のスキルや実績を適切に評価する
- 単価の根拠を明らかにする
詳しく解説します。
同業者の相場を調査する
はじめに、同じフリーランスのPM・PMOの単価相場を調べましょう。自身の単価設定が市場の相場から著しく乖離してしまうと、仕事の受注が難しくなるためです。反対に、低すぎる単価設定では、スキルの安売りになってしまいます。フリーランスマッチングサイトやクラウドソーシングサイトの案件を確認し、同業者のおおよその単価を把握しておきましょう。
自分のスキルや実績を適切に評価する
自分のスキルや実務経験を洗い出すことで、自身の価値に見合った適切な単価を設定しやすくなります。さらに、自ら案件に応募する際の判断基準としても役立ちます。実務経験の年収や取得した資格、給与額などの情報を照らし合わせ、最適な単価を考えてみてください。考慮する際は、能力や経験の過大評価、あるいは過小評価をしないように注意しましょう。
単価の根拠を明らかにする
単価を設定したり、クライアントに単価を提示したりする際は、金額の根拠を示しましょう。具体的な業務の内容や範囲、工数を明確にして、時給に換算して考えると適切な単価を設定しやすくなります。業務に見合った価格である点を示すことでクライアントの納得感が得られ、案件の受注確度を高められるでしょう。
フリーランスのPM・PMOが単価を高める方法
将来的にフリーランスのPM・PMOとしての単価を上げたい場合、次の5つの方法に取り組んでみてください。
- 専門分野と実績をアピールする
- 大きなプロジェクトの経験
- 交渉力を身につける
- 新たな資格やスキルを得る
- 高単価なフリーランスマッチングサービスを活用する
1つずつ重要なポイントを解説します。
専門分野と実績をアピールする
フリーランスのPMやPMOとしての強みと実績をアピールすることで、同業者との差別化が可能です。まずは興味を持てる業界やサービス、テクノロジーの知識とスキルを掘り下げて、自分の価値を高めていきましょう。同業者との差別化が成功すれば自分の価値の根拠となるため、単価アップが見込めます。また、フリーランスマッチングサービスやSNSなどの自己プロフィールには、専門分野と実績を必ず明記しましょう。仕事を発注したいクライアントから、効率的に見つけてもらいやすくなります。
大きなプロジェクトの経験
独立する前に、できる限り大規模なプロジェクトへの参画経験を重ねましょう。コンサルティングファームなどの在籍時代に経験したプロジェクトが多いほど、経験豊富なPM・PMOとして判断してもらえます。PM・PMOとしての実績が少ない場合、クライアントから不安視される要因となりかねません。単価アップ以前に、案件の受注すら難しくなる恐れがあります。現時点でPM・PMOの経験年数が浅い人は、まずは実務を通してさまざまなプロジェクトへ参画しましょう。
交渉力を身につける
フリーランスのPM・PMOとしての経験を積んでいくと、自分のスキルに見合わない単価だと感じる機会が訪れるかもしれません。単価を上げていくには、時にはクライアントとの単価交渉が必要になります。単価交渉の際は、市場相場の事前調査が必須です。相場からかけ離れた単価を提示してしまうと、交渉が失敗するリスクが高まります。自身の実績やスキル、業務内容といった根拠と合わせて適正な金額を提示することで、価格交渉の成功率を引き上げられます。
新たな資格やスキルを得る
会社からの独立後は、新たな資格やスキルを得るための自己研鑽が欠かせません。個人として活動するフリーランスは、実力が非常に重要です。フリーランスを求める案件のほとんどは、即戦力としての活躍を期待しています。同業者との差別化にも高度なスキルが必要なため、PMやPMOに必要な知識の吸収が大切です。最新技術やフレームワークなどの勉強に加え、資格取得もおすすめです。「PMOスペシャリスト認定資格」や「プロジェクトマネージャ試験」などの資格を得ることで、自身のスキルを客観的にアピールできます。
高単価なフリーランスマッチングサービスを活用する
高単価な案件が多いフリーランスマッチングサービスを使うと、効率的に収入アップしやすくなります。単にフリーランスマッチングサービスと言っても、サービスごとに単価の価格帯に差があります。1つのサービスのみ利用するのではなく、複数のサービスに登録して案件の単価を比較してみてください。加えて、フリーランスマッチングサービスによって手数料(中間マージン)が異なります。手数料が低いサービスであれば、その分だけ手元に残る利益を増やせるわけです。
フリーランスのPM・PMOの将来性
フリーランスのPM・PMOとして独立する場合、不安なポイントが将来性の有無ではないでしょうか。結論として、フリーランスのPM・PMOは将来性があると言えます。具体的な理由は、以下の2つです。
- 独立しても需要が高い職種
- どちらもキャリアパスが豊富
それぞれ詳しく説明します。
独立しても需要が高い職種
PMとPMOは、独立後も需要が高い職種です。DX化や業務改善を目指し、数多くの企業がコンサルティングサービスを必要としています。とりわけIT業界では慢性的な人材不足が続いており、PM自体の成り手が少ない状況です。実際、経済産業省の調査では、2030年には最大70万人ものIT人材が不足すると推定されています(※2)。また、PMOも設置する企業は増加していますが、PMO人材自体は不足しています。PM・PMOともに希少価値が高まっているため、フリーランスになっても安定した収益が期待できます。
※2 参照:経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課「IT人材育成の状況等について」
どちらもキャリアパスが豊富
PMとPMOは、キャリアパスが豊富です。フリーランスとして実績を積めば、将来的な起業が可能です。さらに、どちらもITコンサルタントへ転身しやすく、企業への再就職も選択肢になります。たとえば、より高待遇なコンサルティングファームや、大手事業会社の社内PM・PMOといった多彩な転職先があります。仮にフリーランスを辞めたくなっても再就職しやすいため、安心して独立できるのではないでしょうか。
フリーランスのPM・PMOの単価相場まとめ
フリーランスのPMやPMOは高単価な案件が多く、会社から独立することで年収アップが見込めます。フリーランスの単価は自分で決めるため、自分の市場価値や相場に見合った価格設定が重要です。フリーランスマッチングサービスを使えば、効率的に案件の相場を調査できます。また、高報酬な案件も探せるため、単価を上げたい人に向いているサービスです。
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