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客先常駐型コンサルタントとは?その働き方やメリットデメリットを解説

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近年、クライアント先に常駐する形の「客先常駐型コンサルタント」の業務範囲が拡大されており、需要が高まりつつあります。この記事では、客先常駐型コンサルタントとはどのような働き方をするのか、また、メリット・デメリットについてもご紹介します。 

客先常駐型コンサルタントとは?

 コンサルタントとは、クライアントの抱える経営上の課題を明らかにし、課題解決のための戦略を立案・提言することによって、クライアントの成長や業績改善を支援する仕事です。

このうち、クライアントの社内に常駐可能なスペースを確保してもらい、クライアント先に通勤するコンサルタントを「客先常駐型コンサルタント」といいます。 

クライアント先に常駐することで、クライアントが何か意見を求めたいと思った時にすぐにミーティングが持てたり、社内の雰囲気を肌で感じ取ることができたりと、担当者以外にもインタビューすることで、さまざまな角度から問題解決策が提示できます。 

客先常駐コンサルタントには、コンサル会社から派遣されてくるケースと、フリーランスのコンサルタントが派遣企業を通じて客先常駐型コンサルタントとして働くケースがあります。 

コンサル会社から派遣されてくる場合、基本的に客先常駐コンサルタントの上司はコンサル会社の人間になります。指揮命令系統はコンサル会社の本社なり上司なりにあります。常駐している客先企業の人に指示を仰ぐ場合には、客先企業の指示に従えという指示が本社なり上司なりから出ています。

一方、フリーランスのコンサルタントはフリーランスで、元々の上司はいません。そのため、コンサル会社から派遣される客先常駐コンサルタントよりも柔軟に働くことができる点で注目を集めています。

フリーコンサルタントについてはこちらで詳しく解説しています。

客先常駐コンサルタントが入るプロジェクト

客先常駐コンサルタントが入る客先企業でのプロジェクトとしては、以下の3つが挙げられます。 

新規事業立ち上げプロジェクト 

新規事業立ち上げプロジェクトは、客先企業とコンサル会社が共同でプロジェクトを立ち上げる、または客先企業が立ち上げるプロジェクトをコンサル会社が支援するパターンが多いです。

プロジェクトが軌道に乗るまで客先企業にコンサルタントを常駐させ、プロジェクトが軌道に乗ったら常駐コンサルタントは引きあげるパターン、オペレーション支援プロジェクトへと移行していくパターンとさまざまです。 

オペレーション支援プロジェクト 

オペレーション支援プロジェクトも、基本的には常駐でコンサルタントが入ることが多いです。プロジェクトを進めるにあたって、客先常駐コンサルタントが戦略面から支援する形です。

基本的には配属期間は決まっておらず、プロジェクトのあり方に変更がない限りは誰かしらのコンサルタントが常駐する形になります。 

「高級文具」プロジェクト 

高級文具プロジェクトとは、客先企業の社員の代わりに、プレゼン用資料スライドを作成したり、わざわざコンサルティングファームに依頼しなくても、誰でもできる「ありふれた、文房具のような業務」を、高額なフィーをもらっておこなっているコンサルティングファームに対して、皮肉を込めて作った言葉と言われていますが、多くのコンサル会社が高級文具プロジェクト獲得に向けて動いている現状があります。 

自社業務のアウトソーシングになるので、基本的に無期限で自社から誰かを送り続けられ、案件獲得にも繋げやすいことが理由として挙げられます。

また、送る人材にさほど気を使わずに済むこともコンサル会社にとってはメリットでしょう。 

一方で、コンサルタントからはスキルを磨けない等の理由であまり人気はありません。しかし、後に述べるように客先企業に入るからこそのメリットも多くある働き方です。また、アウトソーシング的な側面を持つので、フリーランスが入り込みやすい分野でもあります。 

客先常駐型コンサルタントの働き方

客先常駐型コンサルタントは、クライアント先に出勤してどのような働き方をしているのでしょうか。 

一日のスケジュールは客先企業に従う 

客先常駐型コンサルタントの一日のスケジュールは、基本的にクライアントのスケジュールに従います。 

クライアント先で朝礼が行われる際は朝礼に参加し、必要な場合はミーティングにも出席します。また、自社のミーティングや必要な調査などで外に出る場合もありますが、基本的にはクライアント先で仕事をします。常駐型コンサルタントとしての基本的な業務内容は、以下の通りです。 

【業務内容】

  • チームでのミーティング
  • 客先企業社員とのミーティング
  • 客先企業社員へのインタビュー
  • 自社ミーティング
  • 資料作成 
  • リサーチ

これらに加えて、参加するプロジェクトのタイプ、プロジェクトチームの中での自分の立ち位置などによって必要な業務が追加されます。 

クライアント先の社員と同じ業務をこなす 

担当する業務が協業プロジェクトや、新規プロジェクト立ち上げ支援などの場合には、クライアント先の社員と同じ業務をこなすことも少なくありません。会議に出席したり、プレゼンをしたり、必要に応じて商談の場に同行することもあります。 

商談相手からは、クライアント企業の一員と見られます。そのため、きちんと業務内容やプロジェクトの目指す方向性を理解していることはもちろんのこと、一社会人としての身だしなみやビジネスマナー、言葉遣いなどがきちんとしていることも求められます。 

客先常駐型コンサルタントのメリット

客先常駐型コンサルタントとして働くことには、どのようなメリットが挙げられるのでしょうか。 

メリット①早いうちからクライアントとやり取りできる

1つ目のメリットは、早いうちからクライアントとやり取りができることです。

コンサルタントは通常、チームを組んで動くことが多いですが、自社内にチームを組む場合、クライアントとのやり取りは、チームリーダーなど限られたポジションの人が担当することとなります。

コンサルタントとしての経験が浅いうちは、ミーティングに出席する機会はあっても、クライアントの生の声を聞く機会はそれほどありません。 

一方、客先企業常駐型コンサルタントの場合、経験にかかわらず自然とクライアント先の社員とのやり取りが多くなります。経験の浅いうちからクライアントの担当者とやり取りができる点は、客先常駐型コンサルタントとして働く上での大きなメリットと言えます。 

メリット②スピード感を持って仕事ができる 

2つ目のメリットは、スピード感を持って仕事ができることです。

客先常駐コンサルタントは、客先企業の社員と顔を合わせて仕事をしている分、何かアクションを起こした際のレスポンスも肌で感じることができます。また、細かい改善点なども自社オフィスで働いていれば一旦持ち帰り上司の指示を仰いで代案を作成し、再度アポイントを取って訪問することになります。

一方客先常駐で働いていれば、上司の指示こそ仰ぐ必要があるものの、実際の資料作成等は客先企業の中でできます。また、客先企業の中で働いているからこそ、「時間がある時に声をかけてもらったり、会議と会議の合間に少しだけ時間を取ってもらったりというようなフレキシブルな対応の仕方が可能になります。 

メリット③新規プロジェクトにかかわるチャンスを得られる

3つ目のメリットは、新規プロジェクトにかかわるチャンスを得られることです。

最近の企業常駐型コンサルタントでは、新規プロジェクトを立ち上げる支援業務も多く見られます。プロジェクトの企画から実行までを実際に業務に関わりながら経験できることは、コンサルタントとして働いていく上で大きな財産となります。 

関連記事: 新規事業の開発にコンサルが必要な理由

メリット④プロジェクト提案のきっかけをつかめる 

4つ目のメリットは、プロジェクト提案のきっかけをつかめることです。 

常駐として客先企業に入っていると、客先企業内部を第三者の視点から見る機会は多いです。「ここをこうしたらいいのに」「こういうプロジェクトを立ち上げたらどうだろうか」「ここに常駐を入れるチャンスがある」というように、新規プロジェクトの種を発見することも多いでしょう。

それを、実際にプロジェクトとして提案することで、自社のビジネスチャンスに繋げることができます。また、客先企業内での自分自身のカバー領域拡大、ひいてはフィーアップに繋げるチャンスにもなります。 

メリット⑤事業会社のカルチャーを体験できる

5つ目のメリットは、事業会社のカルチャーを体験できることです。 

事業会社とは、コンサル会社と対比して「自社が主体となり事業を運営する会社」や「コンサルティングサービスを提供する相手企業」という意味で使われることが多いです。「客先企業(クライアント)」とほぼ同義と考えてよいでしょう。 

当然のことながら、コンサル会社とクライアントでは、事業内容が異なります。そのため、社内カルチャーも異なれば、業務の進め方も異なります。しかし、コンサルタントはクライアントの問題解決策を提示することが主たる業務であるため、クライアントの社内カルチャーを無視することはできません。 

例えば、ゴルフコンペやスポーツ大会などの文化が根強く残っている企業もあります。こういったイベントは、「古い」と評される一方で、普段なかなか業務以外の顔を見せることのない上司と部下、他部署の人間同士が親交を深める機会にもなります。

特にフリーランスで働いているコンサルの場合、「自社」がないのでこういった文化に触れる機会もあまりありません。こういったイベントを通じて客先企業の方と触れ合うことで、相手の意外な一面を知ることができ、それがまたビジネスチャンスへと繋がっていきます。 

実際に、クライアント先に客先常駐型コンサルタントとして入ることで、自分の身で事業会社のカルチャーを体験することができ、より実態に合った提案ができます。 

客先常駐型コンサルタントのデメリット

客先常駐型コンサルタントとして働くデメリットには、どのようなものが挙げられるでしょうか。 

デメリット①仕事に対する緊張感が上がる

1つ目のデメリットは、仕事に対する緊張感が上がることです。 

仕事に緊張感を持って臨むことは、社会人として当然のことではありますが、客先常駐型コンサルタントとしてクライアント先に出向していると、「いつ取引先の社員に見られているかわからない」という状態が一日中続くことになります。 

自分の振る舞い一つで進退が決まるかもしれない、契約がなくなってしまうかもしれないという緊張感の中で一日中仕事をするのは、想像以上に心身ともに疲れるものです。 

デメリット②常駐する人材を選ばざるを得ない 

デメリットの2つ目は、常駐する人材を選ばなくてはならないこと、ある程度優秀な人材を客先常駐コンサルとして配置しなければならないことです。 

これは特にコンサル会社から派遣する場合に起こることですが、客先に常駐することによって、週に1回のミーティングだけなら多少その役職に対して能力が不足していたとしても、周囲が上手くフォローすることでコンサルティングフィーを正当化するお化粧は出来ます。

しかし、客先に常駐するとなると、1人で派遣されることも多く、そのコンサルタントの力量はすぐに客先企業に知れてしまいます。そのため、周囲でサポートをしながら少し上の役職に就き実務経験を積みながら成長させていくということが難しくなります。 

かといって能力が不足している人材をそのまま送り込めば、プロジェクトの途中で交代を要求されたり、最悪の場合契約を途中で打ち切られたりすることになりかねません。 

結果として有能な社員が客先常駐コンサルタントとして派遣されていき、有能であるがゆえに指名が入り続け客先企業から離れられず、他のプロジェクトや他の企業に移ったり、本社機能を回す側に移ったりするのが難しくなります。これは大きなデメリットと言えるでしょう。 

デメリット③自由な働き方が難しくなる 

デメリットの3つ目は、自由な働き方が難しくなることです。 

クライアント先に出勤していると、クライアントの社員の動向に気を遣います。そのため、本当はフレックスタイム制があるにもかかわらず朝は規定の出勤時間に出勤し、帰りはクライアントの社員がある程度退勤するまで残業してから退勤する、という働き方の客先常駐型コンサルタントも少なくないようです。 

デメリット④特定の分野のスキルが伸ばせない

4つ目のデメリットは、特定の分野のスキルが伸ばせないことです。 

客先常駐型コンサルタントは、クライアントの要望に応じて柔軟に対応する「何でも屋」な側面があります。そのため、専門コンサルタントに比べて特定の分野のスキルが伸ばせず、自分の強みがわからなくなることがあります。 

また、ベースとなる能力が高ければ高いほどなんでもある程度こなせてしまうため、客先からの評価は高く、客先常駐型コンサルタントとして働き続けることになりかねません。一見問題ないように見えますが、本人の目指すところと現状に違いがあった場合、いつまでもその状況が続くと離職に繋がるおそれもあります。 

コンサル会社から派遣されているのであればコンサル会社側が、フリーとして派遣会社を通じて派遣されているのであれば派遣会社が、うまくフォローすることが求められます。 

客先常駐型コンサルタントとして活躍するためにできること

客先常駐型コンサルタントの需要は増えており、これからコンサルタントとして働くのであれば、客先常駐型コンサルタントを任されることもあるでしょう。では、客先常駐型コンサルタントとして活躍するために、どのようなことをしておけばよいでしょうか。 

コンサルとしての知識やスキルをブラッシュアップする

まず、コンサルタントとしてどんなプロジェクトに配属されたとしても必要となる基本的な知識やスキルを身につけ、ブラッシュアップしていきましょう。 

論理的思考力、問題解決能力、進捗管理能力、コミュニケーションスキル、質問力、傾聴力、プレゼンテーションスキル、精神的なタフさといったコンサルタントとして基本的なスキルは、どこで働いてもどんなプロジェクトに配属されても必要です。 

また、高いメタ認知能力、規律と訓練へのこだわり、コンフォートゾーンにとどまらずに常に挑戦し続けることができる知的体力はコンサルタントとして常に一歩先の提案をする上で欠かせない能力です。 

忙しい中でも、勉強を欠かさず、必要なスキルを磨いていく姿勢は常に忘れずにいたいものです。 

常駐先の知識やスキルを勉強する< 

次に、常駐先の企業の事業内容や、その分野についての知見を深めることです。広く深く知識を身につけることで、提案内容を差別化できるかもしれません。 

また、資料作成も客先常駐型コンサルタントとしては重要な業務になりますから、スライド資料や企画書の作成スキルも磨いておきましょう。 

案件マッチングサービスに相談する

案件マッチングサービスでは、マッチングの手数料はかかるものの、「会社の取り分」がないため、同じ案件でも高報酬となるケースが多く見られます。 

より働きやすい環境を求めるのであれば、案件マッチングサービスに相談するのも一つの方法です。

最近では、コンサルティング会社に所属せず、フリーランスとして活躍するコンサルタントも増えています。 

関連記事:フリーランスのコンサルタント向けマッチングエージェントの活用法

スキルを磨き、客先常駐コンサルタントとして差をつけよう 

ここまで、客先常駐コンサルタントとしての働き方やメリット・デメリットを解説してきました。どちらの側面も併せ持つ客先常駐コンサルタントですが、スキルを磨いて主体的に取り組めば、大きく成長できるチャンスも十分にあります。 

客先常駐コンサルタントへの需要が高まっている今だからこそ、スキルを磨いて差をつけ、さらなるレベルアップを目指しましょう。 

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Shine Craft株式会社 代表取締役 濱口浩平
監修者
濱口浩平
Shine Craft株式会社 代表取締役
・2008年野村総合研究所入社、外資コンサルティングファームを経て、2015年よりフリーコンサルタントして活動開始。これまで、IT戦略、DX推進、新規事業策定、PMO、システム導入など幅広いプロジェクトを経験。
・2022年Shine Craftを共同創業
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