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財務コンサルタントとは?仕事内容や平均年収、必要なスキルや資格を解説

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財務コンサルタントは、税理士や公認会計士、財務経験者から人気の転職先です。

これから財務コンサルタントへ転職したい人は、必要なスキルや資格を把握しておきましょう。この記事では、財務コンサルタントについて詳しく解説します。

財務コンサルタントとは

財務コンサルタントとは、企業の財務面における課題の解決を支援する職業です。具体的には、財務状況の改善、M&A、資金調達、投資戦略、事業再生、内部監査、IRといった業務をサポートします。また、クライアントへのプロジェクトの提案、計画の立案、プロジェクトメンバーのマネジメントも担当します。

多くの財務コンサルタントの所属先は、コンサルティングファームや税理士法人、会計事務所です。フリーランスの需要が高く、経験を積んで独立する財務コンサルタントも存在します。

関連記事:フリーランスのコンサルタントは資格が必要?独立時に有利になる4つの資格を解説

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財務コンサルタントの平均年収

残念ながら、財務コンサルタントの平均年収がわかる統計はありません。そこで、財務コンサルタントに似ている職種の平均年収をご覧ください。

● 経営コンサルタント:平均年収780.9万円
● M&Aコンサルタント:平均年収780.9万円
● ITコンサルタントの平均年収660.4万円
(※参照:厚生労働省「job tag」)

2022年度の日本の平均年収は、458万円でした。上記の職業の平均年収は、いずれも日本の平均年収よりも高額です。近い職業である財務コンサルタントの給与も、日本の平均給与を上回ると期待できます。

実際の求人例

財務コンサルタントの実際の求人は、以下のような報酬で募集されています。

● 会計事務所の求人:年収400万円~1,000万円
● 税理士法人の求人:年収490万円~1,000万円
● コンサルティングファームの求人:500万円〜1,000万円
(※求人参照:doda)

財務コンサルタントの求人は、年収1,000万円のものが数多くあります。なお、コンサルティングファームや会計事務所など、運営形態による年収の大きな差はありません。

フリーランス案件の相場

財務コンサルタントは、フリーランス向けの案件も豊富です。

● 内部監査支援:月収100万円以上
● 事業計画支援:月収100万円以上
● 経理業務支援:月収100〜120万円
(※求人参照:フリーコンサルタント.jp)

会社員と比べて、フリーランスの報酬は高い傾向があります。年収換算で1,000万円超えの案件が多いため、年収アップを目指す人は将来的に独立を検討してみてはいかがでしょうか。

※1 参照:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」

関連記事:コンサルタントの単価の決まり方と費用の相場を種類別に解説

財務コンサルタントの仕事内容

財務コンサルタントは、主に以下4つの仕事を担います。

1. M&A戦略支援
2. 事業計画・再生
3. IR関連支援
4. 財務・会計業務の改善

具体的な業務内容を見ていきましょう。

M&A戦略支援

主な仕事の1つが、クライアントのM&A戦略の支援です。M&Aとは、他社の合併や買収を意味します。クライアントに最適なM&A戦略を立てることで、事業拡大や人材確保といった利益を最大化できます。M&Aを実行する準備として、買収先を調査する「デューデリジェンス」、市場調査、M&A計画の立案・提案も必要です。

事業計画・再生

財務コンサルタントは、クライアントの事業計画や事業再生の支援も担います。例として、事業の廃止や縮小、統合を行う「リストラクチャリング」が挙げられます。不採算事業の整理により、他の事業へリソースの集中および財務改善が可能です。事業計画・再生によって高い効果を得るためには、クライアントに適した事業計画の立案が求められます。

IR関連支援

企業が主に投資家に向けた広報活動「IR」への支援も、財務コンサルタントの仕事です。IRの範囲は広く、資料作成、決算説明会、見学会の実施、IRサイトの制作・運営といった活動があります。クライアントに沿った効果的なIRを実行することで、投資促進や社会的価値の向上が見込めます。

財務・会計業務の改善

クライアントによっては、財務・会計業務そのものの改善を提案する場合もあります。財務・会計ツールの導入、業務フローの変革などの支援により、クライアントの財務・会計業務を効率化します。あるいは、グローバル化を実現するため、「国際会計基準(IFAS)」の導入を支援するケースもあるでしょう。

財務コンサルタントと似ている職種との違い

財務コンサルタントには、似ている職種があります。具体的には、「会計コンサルタント」や「金融コンサルタント」などの職業です。ここでは、4つの職業と財務コンサルタントとの違いを確認しましょう。

会計コンサルタントとの違い

会計コンサルタントとは、企業の財務・会計を支援する職業です。つまり、業務内容は財務コンサルタントと基本的に同じです。一方、「会計業務の改善」といった会計領域のみ専門的に行うコンサルタントを指すケースもあります。

金融コンサルタントとの違い

金融コンサルタントは、クライアントの投資戦略や資金調達といった金融関連のアドバイスを担当します。財務コンサルタントとほとんど同じ業務なため、2つを合わせて「財務・金融コンサルタント」とも呼びます。

経営コンサルタントとの違い

経営コンサルタントとは、クライアントの経営に関する全般的な支援を提供する職業です。マーケティングや人事、製造、開発、財務といった幅広い領域をサポートします。したがって、財務コンサルタントよりも業務領域が広いです。

関連記事:東京の経営コンサルティング会社から厳選16社を比較!選び方や費用相場は?

経営財務コンサルタントとの違い

経営財務コンサルタントとは、一般社団法人「日本会計コンサルタント協会」が定義した言葉です。同法人は、経営財務コンサルタントを次のように定義しています。

「企業の財務情報から売上に関する課題を抽出、売上増加のための仕組み創りを支援する職業専門家」
(※引用:日本会計コンサルタント協会「経営財務コンサルタント」)

上記の定義から、経営財務コンサルタントは財務と経営の高度な知識を持つ専門家と言えます。

財務コンサルティングファームの例

財務コンサルタントが働く会社は、どのような企業があるのでしょうか。有名なコンサルティングファームとして、「会計コンサルBIG4」があります。

会計コンサルBIG4

以下4つのコンサルティングファームは、「会計コンサルBIG4」や「コンサルBIG4」と総称されています。

● PwCコンサルティティング
● KPMGコンサルティング
● デロイト トーマツ コンサルティング
● EYストラテジー・アンド・コンサルティング

いずれの法人も、世界的な会計監査グループです。財務・会計だけでなく、ITや経営といった総合的なコンサルティングサービスを提供しています。

その他大手財務コンサルティング会社

会計コンサルBIG4の他にも、多くの財務コンサルティン会社があります。たとえば「株式会社船井総合研究所」は、業種ごとの専門的な財務コンサルティングを行っています。また、「株式会社アイ・アールジャパン」は、企業のIR活動を専門的に支援する点が特徴的です。

財務コンサルタントに求められるスキル

財務コンサルタントの仕事には、以下4つのスキルが求められます。

1. 財務会計の知識や実務経験
2. 交渉力・プレゼンテーション力
3. コミュニケーション能力
4. さまざまな業界の知見

1つずつ説明します。

財務・会計の知識や実務経験

財務コンサルタントとして働くためには、財務・会計の知識が必須です。事業や経営を分析できるような、専門的なノウハウが求められます。金融業界や財務・会計の実務経験があれば、実務に活用できるでしょう。

交渉力・プレゼンテーション力

交渉力とプレゼンテーション力も、財務コンサルタントに不可欠なスキルです。財務コンサルタントは、立案した戦略をクライアントへプレゼンテーションする必要があります。加えて、説得力のあるプレゼンを行うためには、論理的な思考力も欠かせません。

コミュニケーション能力

財務コンサルタントの仕事には、円滑なコミュニケーション能力が重要です。クライアントやプロジェクトメンバーなど、プロジェクトの関係者と接する機会が多くあります。高いコミュニケーション力は、クライアントとの折衝やヒアリング、リスク管理に役立ちます。

さまざまな業界の知見

財務コンサルタントには、幅広い業界の知見が必要です。プロジェクトごとにクライアントが変わるため、さまざまな業界と関わります。業界が変われば商習慣や市場、ニーズ、トレンドも変化します。業界ごとに最新の情報を把握することで、クライアントへ適切に支援できるでしょう。

財務コンサルタントになるために必要な資格

財務コンサルタントは国家資格ではないため、特定の資格がなくとも就職や転職が可能です。とはいえ、転職時の自己アピールや業務への活用として、次の4つの資格があると役立ちます。

1. 税理士
2. 公認会計士
3. M&Aスペシャリスト資格
4. 中小企業診断士
5. 日商簿記検定

それぞれのメリットや特徴を紹介します。

税理士

税理士とは、税務の専門知識を持つエキスパートです。クライアントの税金の管理、税金に関する相談、年末調整、税務書類の作成代行など、税金に関する業務を行います。税理士法人や税理士事務所に所属する財務コンサルタントは多く、積極的に取得したい資格です。

公認会計士

公認会計士とは、クライアントの会計や財務諸表の監査を担う専門家です。財務関連の深い知識を持つことから、財務コンサルタントとして活躍しやすいでしょう。

M&Aスペシャリスト資格

M&Aスペシャリスト資格とは、名前の通りM&Aの専門的なスキルを認定する資格です。一般的な知識だけではなく、M&Aの実務面に関する出題もされます。実践的な内容が学べるため、M&A支援業務に応用できるでしょう。

中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業へ特化した経営支援スキルを習得できる資格です。財務コンサルティングは経営領域にも及ぶため、クライアントの経営状態を正しく理解する必要があります。中小企業だけでなく、さまざまな規模のクライアントに活用できる知識を得られます。

日商簿記検定

日商簿記検定では、会計業務の知識を基礎から応用まで幅広く学習できます。財務コンサルタントの業務に活用したい場合、2級以上の資格取得を目指しましょう。基礎から勉強したい場合、3級からの段階的な挑戦もおすすめです。

財務コンサルタントを目指す人におすすめの本

財務コンサルタントの業務を理解するためには、以下3冊の書籍が参考になります。

1. コンサル一年目が学ぶこと
2. 35歳までに身につけておくべきプロの経理力
3. 会計のことが面白いほどわかる本

どのような本なのかを見ていきましょう。

「コンサル一年目が学ぶこと 」

「コンサル一年目が学ぶこと 」は、あらゆる業界に応用しやすいビジネススキルを紹介する本です。コンサルタント出身の著者が、実用的なスキルを丁寧に解説しています。基礎からスキルを学びたい人におすすめです。

「35歳までに身につけておくべきプロの経理力」

「35歳までに身につけておくべきプロの経理力」は、経理に特化した行動理念やスキル、思考力を解説している書籍です。経理のスキルを「改善・分析・報告・予測」の4つに分け、具体的な技術を紹介しています。

「会計のことが面白いほどわかる本 」

「会計のことが面白いほどわかる本 」は、財務初心者に向いている本です。「会計の基本の基本編」と「会計基準の理解編」の2冊に分かれており、会計について体系的に学べます。

財務コンサルタントの主なキャリアパス

財務コンサルタントは、主に下記4つのキャリアパスがあります。

1. 事業会社の財務や経営層への転職
2. 金融機関への転職
3. コンサルティングファームでのキャリアアップ
4. フリーランスとして独立・起業

順番に説明します。

事業会社の財務や経営層への転職

1つ目は、事業会社へ転職するパターンです。専門的な財務スキルを活用したい場合、財務部門への転職が向いているでしょう。もしくは、さまざまな企業の経営に携わった経験を活かせば、経営層への転職も考えられます。

金融機関への転職

財務コンサルタントは、金融機関へ転職しやすいでしょう。豊富な財務知識により、銀行や投資会社での活躍が期待できます。また、財務や経営の分析能力を活かし、金融系シンクタンクへの転職も選択肢となります。

コンサルティングファームでのキャリアアップ

財務コンサルタントとして、キャリアアップするルートもあります。同じコンサルティングファームに在籍し続けるだけでなく、異なるファームへの転職も可能です。コンサルタントとしてキャリアを重ねることで、コンサルタントの最上位職「パートナー」を目指せます。

フリーランスとして独立・起業

優秀な財務コンサルタントは、将来的な独立も視野に入れられます。フリーランスの財務コンサルタント向けの案件は多く、フリーランスマッチングサービスを使えば安定して仕事を得やすいです。さらに、フリーランスとして実績を重ねれば、起業もできるでしょう。

関連記事:フリーランスのコンサルタントは資格が必要?独立時に有利になる4つの資格を解説

財務コンサルタントに関するよくある質問

最後に、財務コンサルタントに関する3つの疑問に回答します。

1. 未経験でも財務コンサルタントへ転職できる?
2. 財務コンサルタントの仕事は激務?
3. 財務コンサルタントに向いている人の特徴は?

1つずつ解説します。

未経験でも財務コンサルタントへ転職できる?

財務や会計、コンサルティングなどの経験が一切ない場合、財務コンサルタントへの転職は難しいです。とはいえ、育成枠として未経験可の求人を出している企業は存在します。未経験からの転職は不可能ではないので、まずは未経験可の求人を探しましょう。

財務コンサルタントの仕事は激務?

財務コンサルタントに限らず、会社員のコンサルタントはハードな働き方になりやすいです。一方、フリーランスの財務コンサルタントは自分で仕事量を調整できるため、比較的自由に働けます。

財務コンサルタントに向いている人の特徴は?

以下のいずれかに当てはまる人は、財務コンサルタントに向いています。

● 正確な仕事ができる人、
● 自主的に勉強できる人
● 支援にやりがいを感じる人

財務コンサルタントは、専門的な知識が求められ、数字を扱う職業です。正確な仕事ぶりと常に学習する意欲が必要です。また、クライアントを支援する仕事なので、他社へのサポートにやりがいを感じる人は適正があるでしょう。

財務コンサルタントとは?まとめ

財務コンサルタントは、クライアントの財務改善や財務計画に深く関わります。そのため、税務のプロである税理士や、会計・監査のプロである公認会計士が目指しやすい職業と言えます。財務・会計の実務経験が長い人も、有利に転職できるでしょう。

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Shine Craft株式会社 代表取締役 濱口浩平
監修者
濱口浩平
Shine Craft株式会社 代表取締役
・2008年野村総合研究所入社、外資コンサルティングファームを経て、2015年よりフリーコンサルタントして活動開始。これまで、IT戦略、DX推進、新規事業策定、PMO、システム導入など幅広いプロジェクトを経験。
・2022年Shine Craftを共同創業
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