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現在IT関連の仕事に携わっている人であれば「いつか独立したい」「フリーランスになりたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。とはいえ、やはり独立してやっていけるのか不安になってしまうものです。
そこで、本記事では以下のような悩みを解決していくので、フリーランスのITコンサルタントとして活躍したい人は参考にしてください。
- コンサルティング会社と独立後の報酬はどちらが多いの?
- ITコンサルタントにはどのような種類があり、どんなスキルが必要なの?
- フリーランスになるメリットとデメリットは何だろう?
知識やスキルさえあればITコンサルタントとして独立することは十分可能です。本記事では、現役フリーコンサルタントの筆者が、独立前に知っておくべきことを解説していきます。すでにフリーランスとして独立した人にも参考になるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
弊社では企業とフリーランスをマッチングし独自案件を紹介するプラットフォームを提供しています。独立直後で案件獲得がうまくいかないフリーランスにも高収入案件を紹介できるので、まずはどのような案件を保有しているのか無料登録をして探してみてください。
ITコンサルタントの仕事内容とは
フリーランスのITコンサルタントについて紹介する前に、まずはITコンサルタントとは何かをしっかりと把握しておかなければ話になりません。そこで、ITコンサルタントとはどんな仕事をするのか、3つの基本情報を紹介します。
- そもそもITコンサルタントとは何なのか
- ITコンサルタントの仕事とSEの違い
クライアントの生産性や収益の課題と向き合い解決へ向け導くのがITコンサルタントの役割なので、仕事内容を詳しく解説していきます。
そもそもITコンサルタントとは何なのか
ITコンサルタントは「ITを活用しクライアントの問題や課題を解決する専門家」のことで、業務効率化や業務改善などを提案するのが仕事内容です。
ITの戦略策定⇒企画・要件定義⇒設計⇒開発(システムの見直し)⇒導入作業など仕事内容は多岐にわたりますが、大きくわけると仕事内容は3つに分類されます。
ヒアリングの整理・分類
クライアントから業務範囲や導入済みのシステムなど、さまざまなことをヒアリングする。その内容をもとに、整理と分類をおこないIT分野の課題を洗い出す。
課題解決へ向けた提案
ヒアリングの分析結果をもとに、課題を解決するための提案を行う。
※課題や課題解決のプロセスを伝える能力が備わっていなければいけない
マネジメント
プロジェクトを統括し、進捗やクオリティの管理を行う。
ITコンサルタントの仕事とSEの違い
よくITコンサルタントと混同されるのが、情報システム開発の上流工程を担当するSE(システムエンジニア)です。
ITコンサルタントは課題解決のための提案、SEは提案をもとに形にしていく力が求められる点が大きく異なります。どのような違いがあるのか、簡単に説明します。
ITコンサルタント | SE | |
おもな役割 | 課題等を踏まえアーキテクチャを決定 | アーキテクチャをもとにシステムの要件定義や設計、開発を行う |
業務内容 | 多岐にわたる | システムの設計・開発 |
求められるスキル | 最新技術のトレンドを調査・把握 顧客の課題をヒアリングする力 経営目線で求められている仕組みを導き出す力 | 発売会社の進捗や品質を管理する能力 システム設計を開発し、形にしていく力 プログラミングスキル |
SEはクライアントの要望に沿ったシステム開発を行う一方で、ITコンサルタントは課題解決のための提案をするのが決定的な違いです。
ITコンサルタントはクライアントの意思決定する前から携わるため、SEよりもさらに高いコミュニケーション能力や問題解決能力が求められます。
ITコンサルタントが注目されている背景
近年ではPCやスマホ、交通系ICカードなどITが活用されるようになりましたが、それは企業も同じです。
経済産業省が2019年3月に発表した「IT人材需給に関する調査」では2030年には最大79万人もの人材が不足すると予測されている一方で、今もなおIT人材が不足されているのもITコンサルタントが注目されている理由の1つです。しかし、理由はほかにもあります。
- IT人材向けサービスが増え、副業案件を提供するエージェントやスポットコンサルサービスが増えている
- コロナ禍によるIT投資の積極化は顕著で、他社と同様にIT投資すべきか悩んでいる企業が多い
- DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を加速させるためのITインフラが整っていない
- データ漏えいやサイバーセキュリティ攻撃の増加により、企業のセキュリティ対策が重要視されている
- テクノロジーが急激に進化し、企業はどうやってビジネスに活かすのか問われている
ITコンサルタントが注目される理由はいくつもありますが、技術的な問題を解決するため組織が外部の専門家に意見を求める機会が増えてきています。
ITコンサルタントの年収
ITコンサルタントの平均年収は20代が420万円、30代で586万円と同世代の平均年収よりも高く、ITコンサルタントは高い能力が求められる職種であることがわかります。
個々のスキルや務めている企業により年収は異なりますが、大企業の場合年収1,000万円を超えることもあります。
フリーランスのITコンサルタントを目指すにあたり、年収は気になる部分ではないでしょうか。そこで、大手6社の年収とフリーランスの年収を比較していくので、いくら報酬がもらえるのか参考にしてください。
- 大手6社のコンサルファームの平均年収は900~1,100万円
- フリーランスの年収は1,200~3,000万円
ITコンサルタントは高単価な職業ですが、上記のようにコンサルティング会社に勤務するよりもフリーランスになったほうが大きく稼げることがわかります。
フリーランスとして独立すると年収はいくらになるのか、大手の年収と比較しながら深堀りしていきます。
関連記事:ITコンサルティング企業年収ランキング、国内ITコンサルティング企業6社/ITコンサルタントになるには?向いてる人は?
大手外資ITコンサルの年収比較
ITコンサルタントの収入を考えるうえで、コンサルティングファームを代表する外資ITコンサルティングファーム5社にアビームコンサルティングを加えた6社の年収を紹介していきます。6社の平均年収は900~1,100円ほどですが、各社ともに最高年収には大きな違いがあります。
アクセンチュア株式会社
アナリスト(1~3年目) | 430~600万円 |
コンサルタント(3~5年目) | 600~800万円 |
マネージャー(5~8年目) | 800~1,200万円 |
シニアマネージャー(8年目~) | 1,200~1,500万円 |
マネジングディレクター | 2,000万円~ |
推定平均年収 | 約900~1,000万円 |
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
ビジネスアナリスト(1~2年目) | 550~630万円 |
コンサルタント(3~5年目) | 630~850万円 |
シニアコンサルタント(5~8年目) | 850~1,100万円 |
マネージャー(8~10年目) | 1,100~1,500万円 |
シニアマネージャー(10年目~) | 1,500万円~2,000万円 |
パートナー/ディレクター | 3,000万円~ |
推定平均年収 | 約1,000~1,100万円 |
KPMGコンサルティング株式会社
アナリスト(1~3年目) | 460~500万円 |
コンサルタント(3~6年目) | 500~700万円 |
シニアコンサルタント(6~8年目) | 650~900万円 |
マネージャー(8~10年目) | 800~1,200万円 |
シニアマネージャー(10年目~) | 1,100~1,400万円 |
パートナー/ディレクター | 1,300~2,000万円 |
推定平均年収 | 約900~1,000万円 |
PwCコンサルティング合同会社
アソシエイト(1~4年目) | 500~800万円 |
シニアアソシエイト(3~8年目) | 700~1,000万円 |
マネージャー(5~10年目) | 1,000~1,300万円 |
シニアマネージャー(10年目~) | 1,300~1,700万円 |
ディレクター | 1,500~2,000万円 |
パートナー | 2,000万円~ |
推定平均年収 | 約1,000万円 |
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
アナリスト(1~2年目) | 480~500万円 |
コンサルタント(2~3年目) | 500~550万円 |
シニアコンサルタント(3~5年) | 550~700万円 |
マネージャー(5~8年目) | 700~1,000万円 |
シニアマネージャー(8~13年目) | 1,000~1,400万円 |
ディレクター | 1,400~1,800万円 |
パートナー | 1,800万円~ |
推定平均年収 | 約900~1,000万円 |
アビームコンサルティング株式会社
アナリスト(1~2年目) | 400~500万円 |
コンサルタント(2~5年目) | 500~600万円 |
シニアコンサルタント(5~8年目) | 600~900万円 |
マネージャー(8~11年目) | 900~1,200万円 |
シニアマネージャー(11年目~) | 1,200~1,500万円 |
ディレクター | 1,500~2,000万円 |
プリンシパル | 2,000万円~ |
推定平均年収 | 約800~900万円 |
フリーランスITコンサルタントの年収水準
フリーランスのITコンサルタントの年収は、マネージャーなのかアナリストなのかなどのレイヤー、PMOなのかSAPなのかなど業務領域によって単価は大きく異なるものの、経営戦略や上流工程に携わるフリーランスは会社員よりも報酬の水準が高いです。
- 月単価100~250万円程度
- 年収に換算すると1,200~3,000万円程度
このように、フリーランスのITコンサルタントは、コンサルティングファームに勤務する会社員の平均年収を上回ります。
特にマネージャー以下のレイヤーの場合、会社員よりもフリーランスのITコンサルタントの方が報酬面で有利に働くでしょう。
フリーランスITコンサルタントの種類と案件例
ひとことでITコンサルタントと言っても種類があり、求められるスキルや特徴が異なります。フリーランスは自分の得意分野の案件を獲得することが多いので、仕事内容をきちんと把握しておいたほうが良いです。どのようなコンサルティング業務を行うのか、7つの種類の案件例を紹介します。
- PMOコンサルタント
- ERPコンサルタント
- RPAコンサルタント
- クラウドコンサルタント
- セキュリティコンサルタント
- DX推進コンサルタント
- IT組織・人事コンサルタント
どのITコンサルタントが向いているのか見極めるためにも、種類や案件例、必要なスキルは把握しておきましょう。
PMOコンサルタント
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)コンサルタントは、ITコンサルタントの中で最も案件が豊富にあります。大規模なシステム更改が増えており、PM(プロジェクトマネージャー)一人ではやり切れないため、PMをサポートするPMOのニーズは高いです。
おもな仕事内容 | PMをサポートするための進捗管理や課題管理 個別検討の推進 |
案件の月単価 | 100~250万円 |
求められるスキル | プロジェクト管理能力 コミュニケーション能力 問題解決能力 |
案件の月単価が幅広いのは、コンサルタントや工程、案件の内容やクライアント企業によって差があるからです。
PMOコンサルタントは広い視野と客観的視点で組織全体を管理し、問題解決を支援する能力が求められます。
関連記事:PMOに必要なスキルセットとは?職種別の業務内容や向いている人、おすすめの資格を解説
ERPコンサルタント
EPRはEnterprise Resource Planningの略で「経営資産計画」を指します。ERPコンサルタントはSAPやOracleなどの基幹システムパッケージ、営業系システムや顧客管理システムのSalesforce、Microsoft Dynamicsなどの導入・運用を支援する仕事です。
おもな仕事内容 | CPMの導入・運用支援 プロジェクト全体の業務効率化 |
案件の月単価 | 130~250万円 |
求められるスキル | パッケージ製品の知識 論理的思考能力 コミュニケーション能力 |
EPRコンサルタントはクライアントの業界や業務に関連する知識が必要なので単価が高く、200万円を超えるのが一般的です。
ERP市場ではSAP社・Oracle社の認定コンサルタント制度を設けているため、認定資格を所有していると有利になります。
RPAコンサルタント
RPAとは「Robotic Process Automation」の略で、ロボットやソフトウェアシステムのことを指します。RPAコンサルタントは、定常業務を中心に業務をRPAに置き換えることを推進する仕事です。
おもな仕事内容 | RPA化が期待できる領域の特定対象業務選定 選定した業務のフロー・手順を可視化 RPAエンジニアにRPA化を依頼し開発を管理 |
案件の月単価 | 100~140万円 |
求められるスキル | ヒアリング能力 業務フローを可視化する能力 RPAが動かなかった場合の問題解決能力 |
RPAコンサルタントの需要は急速に拡大し今後も需要は増していくと予測されているため、ITコンサルタントのなかでも需要が高い職種です。
現在はRPA案件の募集は少ないため、マッチングサービスなどを利用するとクラウドソーシングなどでは見つからない案件を探せるでしょう。
クラウドコンサルタント
クラウドコンサルタントは悩みを抱えるクライアントに、最適なクラウドシステムの導入する際の各種対応をサポートします。おもな仕事はオンプレミスのインフラ環境を、AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudなどのパブリッククラウドやプライベートクラウドへの移行・運用支援です。
おもな仕事内容 | クライアントのニーズに合わせクラウド戦略を立案 クラウドセキュリティに関するアドバイス クライアントの要件を満たすようプロジェクトをサポート |
案件の月単価 | 100~160万円 |
求められるスキル | ITとクラウドサービスの知識 論理的思考力 コミュニケーションスキル マネジメント能力 |
クラウドの知識はもとより、顧客のクラウド環境を理解し、どのクラウドに移行するのが最適かを診断する能力が求められます。
セキュリティコンサルタント
セキュリティコンサルタントはクライアントにおける情報セキュリティの診断を行い、戦略立案の実施や推進体制の構築・実行まで支援する仕事です。
おもな仕事内容 | 最近のセキュリティトレンドや脅威の情報を分析 災害発生時の事業継続やデータ保護を考慮した対策の立案 ファイアウォール、アンチウイルスソフトウェアの選定・導入 |
案件の月単価 | 100~150万円 |
求められるスキル | 最新トレンドも含めた経験や知識 仮説構築力 |
クライアントのセキュリティを強化し、データの機密性や可視性、安全性を確保しサイバーセキュリティのリスクを最小化するのが役割です。
DX推進コンサルタント
DXコンサルタントはデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation、DX)を推進するための専門知識とスキルを持ち、コンサルティングを行います。新規ビジネスの立ち上げを支援するため、戦略立案から運用体制整備まで幅広い業務を担うのが特徴です。
おもな仕事内容 | 戦略立案 アイデア創出 システム選定 運用体制整備 |
案件の月単価 | 100万円 |
求められるスキル | 問題解決能力 AIに関する知識 マネジメント能力 |
DXは歴史が浅いこともあり経験豊富なコンサルタントは少ないものの、需要が高まっているため将来性がある職種です。
関連記事:DXコンサルタントとは?将来性や仕事内容、転職に必要なスキルを解説
IT組織・人事コンサルタント
組織や人事のコンサルティングを行うIT組織・人事コンサルタントは、クライアントの組織や人事領域の課題を分析し解決策を提案するのが仕事です。ただ、組織や人事と言っても幅が広くクライアントごとに課題も異なるため、仕事内容はひとことで言い表せないほど多岐にわたります。
おもな仕事内容 | 課題を分析し明確化する 解決策の提案や実行の支援 |
案件の月単価 | 10~100万円 |
求められるスキル | 現状分析力 問題解決能力 論理的思考力 コミュニケーション能力 育成や人事に関する知識 |
IT組織・人事コンサルタントは大きくわけると「人事組織コンサルティング」「採用コンサルティング」「人材育成・コンサルティング」の3つに分類されるため、得意分野でコンサルティングを行うと良いでしょう。
関連記事:IT戦略とは?策定のロードマップや失敗パターン、成功させるポイントを解説
フリーランスのITコンサルタントに必要な5つのスキル
ITコンサルタントにはさまざまな能力が問われますが、フリーランスともなればより多くのスキルを必要とします。
- 一般的なコンサルタントスキルと現場で立ち回る能力
- エンジニアと対等に渡り合うITスキル
- 資料作成スキル
- 経営とシステムのバランス感覚
- コミュニケーション能力
- 番外編:資格があればスキル証明に役立つ
ITコンサルタントにどのようなスキルが必要なのか、ここでは解説してきます。
一般的なコンサルタントスキルと現場で立ち回る能力
新たなシステムを作る際にビジネス部門や経営層の要望に沿いシステムを構想策定したものの、情報システム部門側が受け入れないケースが生じることもあります。
そのようなときに、ビジネス側と情報システム部門との橋渡し役として立ち回る能力も求められます。
ITコンサルタントはお客様が求める最適なシステムを提案する仕事なので、論理的思考能力や課題解決能力が求められます。中小企業であれば、一人で担当することもあります。大企業はシステムの規模が大きいため、チームで関わることが一般的です。そのため、ITコンサルタントは現場で立ち回るためのスキルが必要です。
- チームをまとめるコミュニケーション能力や協調性
- クライアントとの折衝能力
l経営層へ説明するためのプレゼンテーション能力
新たなシステムを作る際にビジネス部門や経営層の要望に沿いシステムを構想策定したものの、情報システム部門側が受け入れないケースが生じることもあります。そのようなときに、ビジネス側と情報システム部門との橋渡し役として立ち回る能力も求められます。
エンジニアと対等に渡り合うITスキル
ITスキルで言えばERPやSaaSなどのパッケージ製品の知識や、プログラミングに関する理解が必須となります。
ITの知識をもとにコンサルティングを行いますが、浅すぎる知識では十分なコンサルティングができないからです。なぜエンジニアと対等に渡り合うスキルが必要なのか、その理由をいくつか紹介します。
- システム機能を決定し、機能を実現できるパッケージ製品やスクラッチ開発などソリューションを選定する
- ソリューション選定にあたり、RFI(情報提供依頼書)をベンダに出して、情報を収集することがある
- 専門用語やプロセスを理解することで、エンジニアと円滑なコミュニケーションが取れる
エンジニアと対等に渡り合うITスキルを持っていれば、エンジニアとの協議や問題解決において信頼を得られます。
ITコンサルタントはエンジニアと協力しクライアントへ優れたソリューションを提供しなければいけないので、完璧ではなくとも実務スキルもあわせもっているとスムーズにプロジェクトが進行するでしょう。
資料作成スキル
ITコンサルタントとSEは関連性が高い仕事なので、SEがITコンサルタントを目指すのは良くあるパターンです。SE以外にも、SIerからコンサルティングファームに転職され活躍されている人は沢山いらっしゃいます。
ただ、コンサルタントはPowerPointがおもな使用ツールという特徴があります。PowerPointでロジカルに組み立てた綺麗なスライドを作り、ぱっと分かりスライドでなければなりません。
コンサルタントは綺麗でわかりやすく資料を作成する能力に長けており、すぐに見につかないスキルだからこそSEがITコンサルタントにキャリアチェンジし一番苦労する点だと考えております。
- 先輩のスライドを真似する
- Slideshare等でいいなと思ったスライドは実際に自分で複製する
- スライドを見て、なぜわかりやすいと感じるのか考察する
スキルを磨く方法はいくつもありますが、日立製作所からマッキンゼーに転職した有名な経営コンサルタント大前研一さんは社内のスライド10,000枚を複写してスキルを磨いたようです。資料作成スキルは練習で磨いていけるので、見やすいスライドを真似して上達していきましょう。
経営とシステムのバランス感覚
ITコンサルタントに限らず、あらゆるコンサルタントには経営的視点が必要です。そのなかでもITコンサルタントに必要なのが、経営とシステムのバランス感覚です。
クライアントの課題をヒアリングしたうえで問題解決へ向けたコンサルティングを行うからこそ、つねに客観的視点を持ち合わせなければいけません。
- システム投資の費用対効果が得られるか
- 期日までに開発が間に合うか
- クライアントにニーズに合うソリューションを提供できるか
たとえ経営が求めることをシステムに適切に落とし込んだとしても、クライアントの予算を大幅に上回ったり、期日を超過するようでは意味がありません。
経営とシステムのバランス感覚をもとに、最適なシステムをクライアントに提案していくことがITコンサルタントには求められます。
コミュニケーション能力
フリーランスのITコンサルタントとして活躍するなら、コミュニケーション能力は必要不可欠です。
クライアントの課題を見つけ解決するためには、適切な言葉で要望や目標をヒアリングしなければいけないからです。コミュニケーション能力が優れていると、さまざまなメリットがあります。
- クライアントのニーズが理解できる
- 複雑な技術をクライアントへわかりやすく説明できる
- クライアントとの信頼関係を構築しやすい
すべてのクライアントが課題を認識しているわけではないので、見えない課題を引き出すのもITコンサルタントの仕事の1つです。
予算交渉やプロジェクトのメンバーと連携する際などコミュニケーションスキルがあれば役立つので、技術面以外のスキルも磨いていきましょう。
番外編:資格があればスキル証明に役立つ
かならずしもITコンサルタントに資格が必要なわけではありませんが、第三者へのスキル証明として資格は有効です。
資格を取得して損をすることは絶対にないので、あればITコンサルタントのスキルが証明できる資格を5つ紹介します。
- ITコーディネーター
- PM(プロジェクトマネージャ試験)
- 中小企業診断士
- PMC(プロジェクトマネジメント・コーディネーター)
- ITストラテジスト
フリーランスのITコンサルタントの場合、クライアントに信用してもらえなければ案件の獲得はできません。
資格は信用力を高めるのに有効な手段なので、仕事内容に合わせ資格取得を検討してみてください。
関連記事:フリーランスのコンサルタントが持っておくべき資格とは
ITコンサルタントが起業してフリーランスになる3つのメリット
企業勤めとは違いフリーランスになれば自由度が高く、自分の得意分野の仕事を選べるメリットもあります。
会社務めからフリーランスになった場合どのようなメリットがあるのか、代表的なものを3つ紹介します。
- 自由に案件を選べる
- 収入が上がる可能性がある
- 自分の得意な分野で活躍できる
フリーランスには大変な部分はあるものの、自分のスキルで大きく稼ぐことも十分可能です。
自分の考えを提案し一人だけでプロジェクトを遂行できる人にこそフリーランスはおすすめなので、どのようなメリットがあるのか詳しく解説していきます。
自由に案件を選べる
会社に勤めていれば自分の意思に関わらず案件を進めていかなければいけませんが、フリーランスは自分で案件を選べます。
「今は手が回らないから断る」「得意分野の案件だから請け負う」など自分の裁量で案件を選べるのも、フリーランスならではではないでしょうか。
- スケジュールの無理のない範囲で受注できる
- 複数の分野、案件を掛け持ちできる
- キャリアを積める案件を選べる
このように、フリーランスになれば将来のキャリアを見据えたうえで案件を選べるようになり、人生設計の幅も広がります。ただし、独立直後は実績がないため案件を選び過ぎていると受注できる仕事がなくなってしまうため、実績を積んだ後のメリットと捉えておくと良いでしょう。
収入が上がる可能性がある
会社に勤めていると総務や経理、人事などの経費が上乗せした単価となり、経費や利益を差し引いた金額がコンサルタントの給料として支払われます。
しかし、独立すればクライアントから受け取るお金は自分のものとなり、コンサルティング会社より安い単価でも手取り収入は上がります。
- 価格設定次第ではコンサルティング会社よりも安く請け負える
- 安く請け負っても会社のように経費がかからないため、収入が上がる
クライアントは品質が同じであれば安い金額を選ぶ可能性が高く、フリーランスのほうが金銭面で優位に立てます。
たとえ単価が安くとも企業よりも経費を抑えられるのがフリーランスの良さなので、収入の大幅アップも夢ではありません。
自分の得意な分野で活躍できる
ひとことでITコンサルタントと言ってもクライアントごとに請け負う業務が違うため、さまざまな案件の中から得意分野を選べるようになります。
企業に勤めていると自分の得意分野だけを請け負うことはできませんが、フリーランスになれば案件を選び得意分野に集中し高いパフォーマンスを発揮できます。
- 専門分野を絞ることで、より深い知識が身につく
- 得意分野で成果を上げることで、クライアントの信用を獲得できる
- 得意分野を伸ばすことで個人のブランディングができる
自分の得意分野を選べば成果を出しやすく、クライアントとの長期的な関係を築くことも可能です。
フリーランスは自分自身でクライアントとコミュニケーションを行い成果を上げていくため、つねにやりがいを感じながら働けるでしょう。
ITコンサルタントがフリーランスになる3つのデメリット
自由に案件を選び得意分野で活躍できるなどのメリットがある一方で、フリーランスになることはデメリットもあります。
独立前にデメリットも確認しておくと、フリーランスになった後で「こんなはずじゃなかった」と後悔しません。実際にどのようなデメリットがあるのか、代表的なものを3つ紹介します。
- 収入が安定しないため社会的信用が低くなる
- スキルアップし続けなければいけない
- 自己責任が重大
デメリットを把握しておけば独立前に対策を講じられるので、フリーランスになるデメリットを詳しく紹介していきます。
収入が安定しないため社会的信用が低くなる
ITコンサルタントに限った話ではないものの、フリーランスになると収入が不安定になりやすいです。
たしかに継続的に案件を受注できれば高収入な仕事ではあるものの、案件が受注できなければ収入が0になってしまいます。
- 新しい案件を獲得する努力を怠らない
- ケガや病気で働けなくなった場合に備えておく
上記のように不安定な収入に対処法はあるものの、フリーランスゆえに「これだけ準備しておけば大丈夫」ということはありません。
収入の安定性や社会的に不利な状況に直面する可能性があるため、事前に収入面で備えておくと安心して働けます。
関連記事:フリーランスコンサルタントの独立メリット・デメリットは?経費や税金は?
スキルアップし続けなければいけない
フリーランスは個人で仕事を請け負わなければいけないため、会社員時代のように組織に守ってもらえません。
自分自身で積極的にスキルアップをしなければ成長が止まり、案件を受注できなくなってしまう可能性があります。
- 違う分野の案件にチャレンジする
- 徐々に案件の難易度をアップさせる
つねに新しいことを吸収する力、新しいことにチャレンジする意欲がなければフリーランスとして成功しないので、自分自身で成長する機会を作っていきましょう。
自己責任が重大
フリーランスはプロジェクトの成功や失敗はすべて個人に帰属し、組織のサポートを得られません。
失敗すると、収入の損失、クライアントからの信頼喪失、さらには自己の評判にも悪影響を及ぼすリスクがあります。
- プロジェクトの範囲、納期、費用、および責任範囲を明確に定義
- プロジェクト開始前にリスクを評価し、対処計画を策定
プロジェクトに関連する全ての意思決定やリスク管理は、フリーランス自身の判断に依存するため、高い専門知識と経験を身に着けていきましょう。
ITコンサルタントがフリーランスになるには?
近年ITコンサルタントの需要は高く、独立や起業する人が増えています。いくらフリーランスが増えているとはいえ安易に独立すれば事業の継続は難しいので、事前に必要な3つの準備を紹介します。
- ITコンサルタント関連の経験を積んでおく
- スキルや経験の棚卸をおこなう
- ITコンサルタント向けエージェントに登録する
- 人脈を作り信頼関係を構築していく
独立し成功するのかはフリーランスになるまでの事前準備にかかっていると言っても過言ではないため、フリーランスになる方法を詳しく解説していきます。
ITコンサルタント関連の経験を積んでおく
極論ではありますが、たとえ未経験でもITコンサルタントを名乗ることはできます。だからこそクライアントに信用してもらえるような経験を積み、独立に備えましょう。
- プロジェクトマネジメント
- IT戦略選定
- システム開発工程
ITコンサルタントが未経験でもIT分野の実績があれば、独立後プラスになります。独立前に多くの仕事を経験しスキルを身に着けておけばフリーランスとなっても重宝されるため、経験を積みながらビジネスの仕組みも勉強しておくと良いです。
スキルや経験の棚卸をおこなう
フリーランスとして活躍するためには、クライアントに「どんなスキルがあるのか」「何を経験してきたのか」などを提示しなければいけません。
そこで、独立前にスキルの棚卸をおこない、どんな強みがあるのか改めて考えてみましょう。
- どんなITスキルがあるのか
- どのような業務を経験したのか
- どの程度業界の知識があるのか
これまでのキャリアを振り返ると、自分に足りない経験やスキルが明確になります。何が足りないのかわかれ経験を積み独立に備えられるので、かならずスキルや経験の棚卸を行いましょう。
ITコンサルタント向けエージェントに登録する
ITコンサルタントがフリーランスになる際、エージェントを通じて仕事を見つける方法が一つの選択肢です。エージェントは企業とフリーランスの間の橋渡しをし、適切な案件の紹介、条件交渉、契約のサポートを提供します。
- 専門的な知識を持つコンサルタントが求められるプロジェクトを簡単に探せる
- 複数のエージェントに登録することで、仕事の安定性や継続性を高められる
- 条件交渉やトラブル対処を自分の代わりに実施してもらえる
エージェントによっては案件数や手数料に差がつくため、事前に条件を確認することが重要です。フリーランスとして成功するためには、自分のスキルと市場ニーズを理解し、適切なエージェントを選ぶことが鍵となります。
関連記事:フリーランスの職務経歴書の書き方は?履歴書とはどう違うの?
人脈を作り信頼関係を構築していく
現在フリーランスのITコンサルタントとして活躍している人のうち、独立直後は前職のつながりで仕事を受注している方もいらっしゃいます。
実績が少ないからこそ人脈が大切なので、人脈を作る3つの方法を紹介します。
- 起業前の取引先に頼む
- セミナーなどのイベントに顔を出す
- 同じ業界の友人や知人に連絡を取る
人脈を構築し「この人になら仕事を任せても安心だ」と思ってもらえるのが1番ですが、独立後の案件を頼める人がいないという人も多いです。最近では個人と企業を結ぶサービスも充実しているので、可能な範囲で人脈づくりをしていきましょう。
関連記事:フリーランスの案件探し11選、紹介が途切れない方法
フリーランスのITコンサルタントが気を付ける3つのポイント
与えられる仕事をこなす会社員とは違い、フリーランスは自分自身で案件を獲得しプロジェクトを進めていかなければいけません。
自由度の高いフリーランスだからこそ、効率よく働くために注意すべき3つのポイントを紹介します。
- 自分の特性を把握する
- 仕事の範囲をあらかじめ決めておく
- 健康管理をしっかりおこなう
フリーランスになる前に気を配るポイントは知っておいたほうが良いので、詳しく紹介していきます。
関連記事:コンサルタントが独立しフリーランスになったら年収はいくら?単価の決め方や上げ方も紹介
自分の特性を把握する
コンサルティング会社の社員が補えないスキルや案件をフリーランスに依頼することが多く、限定的なスキルを求められる場合が多いです。
だからこそ、自分の特性を把握し強みがわかれば案件を受注しやすくなり、自信を持ってプロジェクトに取り組めます。また、強みを発揮することには、メリットもあります。
- 自己ブランディングしやすくなる
- ターゲットクライアントを特定しやすくなる
自分の特性がわかれば強みだけでなく足りない部分も見えてくるため、スキル向上にも役立てられるでしょう。
強みがわかればクライアントへ価値提供しやすくなり新たな仕事へとつながる可能性も上がるので、得意分野を伸ばしていってくださいね。
仕事の範囲をあらかじめ決めておく
独立直後に多いのが、どこまでをサービスとし、どこからが有料範囲なのか線引きがあいまいになってしまうことです。
自分のなかで仕事の範囲を決めておかないと、あれこれ頼まれ業務に差し支えてしまうかもしれません。
- 作業範囲
- スケジュールと納期
- 支払い方法や条件
- サポート内容
上記のように具体的に線引きを明確にしておくことで、双方納得したうえでプロジェクトを進めていけます。
クライアントの要望を聞きすぎてしまい負担になっては元も子もないので、あらかじめ無料で提供できるサービスはどこまでなのか明示しておきましょう。
健康管理をしっかりおこなう
フリーランスにとって経験やスキルは武器になり重要なものではありますが、同じくらい健康管理も重要です。
「自分一人で頑張らなければいけない」とプレッシャーもあり、ときには疲れていても仕事に没頭してしまい無理をする場面もあります。しかし、フリーランスだからこそ、会社員時代よりも健康管理には気を配らなければいけません。
- 仕事の継続や収入確保のため
- ストレスを減らし心身のバランスを保つため
- ワークライフバランスを充実させるため
健康管理を行う理由はたくさんありますが、自分1人で変わりがいないからこそ健康な状態でプロジェクトを完遂しなくてはいけません。事前に「休憩は1日〇分取る」「仕事をしない日は〇曜日」など決め、適度な休憩を心がけましょう。
ITコンサルタントが独立してフリーランスになるには?まとめ
フリーランスのITコンサルタントとして独立することは、自由に働けることに加え、専門性を活かすこともでき、更には収入アップの可能性も広がります。しかし、収入が不安定になることや継続的なスキルアップの必要性など、考慮すべきデメリットも存在します。成功への鍵は、自身の特性を理解し、適切な案件の選択、時間管理、そして健康維持にあります。自分の強みを生かし、柔軟に市場のニーズに対応することで、フリーランスのITコンサルタントとしてのキャリアは確実に花開くでしょう。
フリーランスのコンサルタントはTHE CONSULへの登録がお勧め
フリーコンサルタントの登録や案件紹介を行うTHE CONSULは、フリーランスのコンサルタント経験者同士が、利用者目線で徹底的に「こんなサービスがあったらいいな」を考え抜いた、フリーランスのコンサルタント向けマッチングプラットフォームです。
現役コンサルタントがサービス提供しているため、案件の解像度を高めることができ、案件参画後のギャップを最小限に抑えることを実現しています。
また、エンドクライアント様/元請様からの案件に限定した、商流の浅さに拘り、更には他社に出回らない独占案件も豊富に取り扱いしており、登録者の報酬を最大化する仕組みが整っています。
今後フリーランスのコンサルタントとして活動してみたいという方向けに、経験者によるご相談もご用意しております。まずはお気軽にご登録ください。