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フリーランスの職務経歴書の書き方は?履歴書とはどう違うの?

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フリーランスとしてのキャリアを築く上で、職務経歴書はあなたのスキル、経験、そして専門性を示す重要なツールです。伝統的な雇用形態とは異なり、フリーランスは多様なプロジェクトやクライアントとの関わりを通じて独自の経歴を築き上げてきました。

この記事では、フリーランス特有の経験を効果的にアピールし、将来のクライアントやパートナーに信頼と興味を持ってもらうための職務経歴書の作成方法について詳しく解説します。

フリーランスとしてのあなたのユニークなキャリアを最大限に活かし、次の機会へとつなげるためのポイントを、実例と共にご紹介します。

フリーランスと個人事業主の違い

職務経歴書の説明に入る前に、フリーランスと個人事業主の違いを明らかにしておきましょう。フリーランスと個人事業主は、しばしば混合して使用されますが、実際には異なる意味を持っています。フリーランスは、自分の専門スキルを活かして独立して働く個人を指し、通常は複数のクライアントと短期間やプロジェクトベースで契約します。対して個人事業主は、法的な用語であり、自分でビジネスを運営する個人全般を指します。これにはフリーランスの他、小売業や飲食業などを営む人々も含まれます。フリーランスは個人事業主の一形態であり、その特徴として、特定の会社に属さずに自由に仕事を選ぶ自立性があります。

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フリーランスが職務経歴書を必要とする時​

会社員が転職活動をする際は、職務経歴書が必要となりますが、フリーランスとして独立すると、職務経歴書が不要になるかというと、そうではありません。

フリーランスが実際どの場面で、職務経歴書が必要になるか見ていきましょう。

新規で契約を結ぶ時​

かつて一緒に仕事をしたことがあるクライアントとの契約など、ご自身のことをよくご存じな相手との契約となると、職務経歴書の提出は不要かと考えます。

一方で、ご紹介などで、まだ関係性が薄い方との契約となると、どれくらいパフォーマンスが期待できるか、まずは書面での確認となりますので、職務経歴書の提出が求められます。

クライアントによっては、職務経歴書のフォーマットが送られてきて、そちらに記載するよう要請してくる場合もあります。

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マッチングエージェントを利用する時​

ご自身で営業して案件を獲得するのではなく、フリーランス向けマッチングエージェントを利用する場合は、職務経歴書が必須になります。

エージェントとして、職務経歴書の利用用途は下記2つがあります。

  1. エージェントの登録者のスキル・経験を理解し、フィットする案件がないか確認する
  2. 上記フィットする案件があった際に、案件依頼元に提出し、候補者のスキル・経験がフィットするか確認してもらう

エージェントに登録し、職務経歴書をエージェントに提出すると、まずはエージェントの面談において、上記利用用途1として職務経歴書を使用します。

そして、フィットする案件が出てくれば、意思確認の上、案件にエントリーするとなった際に、利用用途②として、エージェントは案件依頼元に職務経歴書を提出します。

関連記事:フリーランスのコンサルタント向けマッチングエージェントはどのようなサービス?

会社に就職する・アルバイトで働く時

フリーランスから会社員やアルバイトに転職する際、職務経歴書は非常に重要です。フリーランス期間中に培ったスキル、経験、プロジェクトの詳細を明確に記述することで、採用担当者に自身の能力と実績を効果的に伝えることができます。フリーランスの経験は自主性、柔軟性、多様な業務への対応力など、企業にとって魅力的な要素を多く含んでいます。そのため、フリーランスとしての成果や具体的な成果物を職務経歴書に盛り込むことで、ポテンシャルの高さをアピールすることが可能です。

職務履歴書と履歴書の違いは何?​

フリーランスは、案件獲得に当たって、クライアントから職務経歴書に加えて、履歴書を求められることがあります。

職務経歴書と履歴書は似たような項目が並びますが、実際には利用用途が異なりますので、その違いを解説します。

職務経歴書は採用可否を判断するための書類​

職務経歴書は、フリーランスを採用するにあたって、採用可否を判断するための書類です。

案件依頼元であるクライアントは、その案件が候補者であるフリーランスで対応可能か、職務経歴書に記載のある、これまでの経験やスキルを確認し、判断します。

なお、職務経歴書は、会社員の転職時も使用しますが、フリーランスの場合、少し事情が異なります。

転職の場合は、特に若手であれば、募集するポジションのスキル・経験が足りなくても、採用されるケースはあります。それは、人材育成をする前提で考えているからです。

ただ、フリーランスとなると、外部の人間ですので、人材育成は考えておらず、即戦力であるかどうかを見ています。そもそも、即戦力であるため、外部を利用しようとしていることを理解しておく必要があります。

履歴書は人事が保管するための書類​

一方で履歴書は、候補者の住所や氏名、連絡先といった個人情報が記載された書類で、採用には全く使用しません。

主に人事部門で管理され、事務手続きなど何かしらの手続きがある際に使用するものです。

面談において採用がされた場合は、人事部門で保管されますが、不採用となった場合は、個人情報保護法の関係で、書類は破棄されます。

フリーランスの職務経歴書に書くべき項目

フリーランスとしてのキャリアは独特であり、その経験を履歴書に効果的に反映させることが重要です。ここでは、フリーランス特有の履歴書の書き方と、採用担当者にあなたの能力を最大限にアピールするためのポイントを紹介します。

個人情報

職務経歴書の最初には、氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの基本情報を記載します。履歴書と異なり、職務経歴書に写真を添付する必要は通常ありませんが、オンラインプロファイルへのリンクを含めることは有効です。また、自分のウェブサイトやポートフォリオへのリンクを記載することで、さらに詳細な情報を提供することができます。

職務経験

フリーランスとしての重要なプロジェクトや業務を時系列で詳細に記述します。各プロジェクトには、期間、自身の役割、具体的な成果や使用した技術を含めることが重要です。例えば、「2019年3月から2020年12月まで、大手小売業のeコマースサイトのフロントエンド開発を担当し、ユーザーエクスペリエンスの向上によりオンライン売上を30%増加させました」といった具体的な成果の記述が理想的です。成功事例や成果を数値で示すことで、あなたの貢献度と効果を明確に伝えることができます。

スキルと専門知識

このセクションでは、フリーランスとして磨いた専門的な技術やスキルをリストアップします。具体的な技能、使用ツール、プログラミング言語、ソフトスキルなどを明記し、それらがどのように職務に活かされたかを示します。例えば、「Java、Python、SQL、プロジェクト管理、チームリーダーシップ、顧客対応」などのスキルを挙げることができます。また、特定の業界や領域での専門知識があれば、それも強調すると良いでしょう。技能のレベルを示すことも効果的ですが、正直かつ現実的な自己評価が重要です。

学歴と資格

最終学歴や関連する資格、重要な研修やセミナーへの参加情報を記載します。特に職務に関連する資格やトレーニングは強調すると良いでしょう。例えば、「東京大学卒業、マイクロソフト認定プロフェッショナル(MCP)」などの情報を含めることができます。教育背景が直接職務と関連しない場合でも、学んだスキルや知識がどのように職務に役立つかを示すことが重要です。また、最近のトレーニングやセミナーへの参加は、業界のトレンドや最新技術に対する関心と知識を示す良い機会となります。

関連記事:フリーランスのコンサルタントは資格が必要?独立時に有利になる4つの資格を解説

推薦文または推薦者の連絡先

職務経歴書の最後に、過去のクライアントや業界関係者からの推薦文を添付するか、推薦者の連絡先を記載することが推奨されます。これは、あなたの職業的信頼性と実績を裏付けるものです。推薦文を添付する場合は、推薦者の名前、役職、会社名、および推薦者との関係を明記します。直接的な推薦文がない場合は、過去に共に仕事をしたクライアントや同僚を推薦者として挙げ、連絡先を提供することが可能です。ただし、推薦者に事前に許可を取ることが重要です。推薦者からの詳細な推薦文があれば、それを職務経歴書に添付することで、より強力なアピールにつながります。

フリーランスの職務経歴書の書き方​

前述の通り、フリーランスにとって、新たに案件を獲得するために、職務経歴書は必要なもので、職務経歴書は採用・不採用を判断する材料となるため、どのように書くかが大事になってきます。

職務経歴書を書くにあたり、どのようなポイントがあるか、ここでは解説させていただきます。

経歴書のサマリをつける​

職務経歴書は、場合によっては数ページにもわたります。また、案件の採用可否を決める案件担当者は、現場のマネージャーや幹部層であり、忙しい業務の合間に職務経歴書を確認する形となるため、すべてを読んでもらうことは期待できません。

さらに、案件担当者は、一人だけでなく複数の候補者の職務経歴書確認しますので、適切な情報を適切に提供する必要があります。

そのため、読み手が、短時間であなたの経歴について理解することができるように、まずはサマリの経歴があり、その後にサマリに記載があるものの詳細を記載する構成とするとよいでしょう。

実績を具体的に書く​

フリーランスが最もアピールしておきたいのは実績です。案件担当者も、案件と近しいプロジェクトの実績を見て、実際にパフォーマンスが出るかどうか判断します。

どれくらいの規模の案件で、どれくらいの期間、主にどのような役割を担い、どのような結果を出したかを明確に記載しておくとよいでしょう。

また、IT関連の案件であれば、情報処理技術者資格など、保有している資格で即戦力をアピールすることもできます。一見、募集案件に直接関係なさそうな資格が、実は役に立つケースもありますので、保有している資格は漏れなく記載しておくとよいでしょう。

基本的には、案件と類似の実績や資格を示して、即戦力であることをアピールする形ですが、仮に実績がなくても、自己研鑽などで取り組んでいることがあれば、記載しておくとよいでしょう。

即戦力よりは可能性は下がりますが、その姿勢などを評価していただいたり、他に適任者がいない場合、採用となるケースは出来てきます。

関連記事:フリーランスのコンサルタントは資格が必要?持っておくべき資格とは?

協調性や安定感をアピール​

フリーランスを採用するにあたって、企業が気にするのは協調性と安定感だと考えます。

フリーランスは、ひとりで仕事をやっているイメージが強く、チームプレイが苦手なんじゃないか、人間関係で問題を起こすのではないかと心配されることがあります。その懸念を払拭するために、数名~数十名のプロジェクトで、チームプレイをしながら、しっかり成果を出した実績のアピールを記載しておくとよいでしょう。

また、安定感という観点では、採用したはいいが、突然来なくなったり、急遽プロジェクトを離れたりしないかという不安が企業側にあったりします。

そのため、長期プロジェクトの参画や、同じクライアントで契約が継続していることをアピールするとよいでしょう。仮に、短期間でプロジェクトが終わっていても、顧客都合など、こちら側に非がない場合、その旨をしっかり記載しておくとよいでしょう。

機密事項には注意 ​

実績の記載にあたっては、クライアント名や案件概要など、機密情報にあたる可能性がある場合は、記載を避けるようにしましょう。クライアントは、大手消費財メーカーなどといった形で、特定されないように記載するのが一般的です。

機密情報の記載がされている場合、クライアントとしては、我々の機密情報も外部に流出されてしまうと懸念されてしまい、不採用となってしまう可能性がありますので、注意しましょう。

安易なミスをなくす​

てにをは、誤字脱字、文法誤り、敬語の使い間違えなど、安易なミスがないか徹底的にチェックをしましょう。

例えば、会計関連の仕事は、1つの数値のミスが命取りとなります。安易なミスが多いと、仕事をお願いしても、かえって仕事が増えてしまうことになりますし、パフォーマンスに不安を覚えるため、不採用となってしまう可能性があります。

見やすい工夫をする​

職務経歴書は、クライアントが唯一確認できる、候補者の成果物です。そのため、実際にプロジェクトに参画してから、資料作成などで意識することは、職務経歴書でも同様に意識しましょう。

具体的には、フォントやフォントサイズを統一し、文章ごとに異なるフォントやフォントサイズが使われないよう考慮しましょう。フォントは、Meiryo-UIが見やすくて、使われているケースが多いです。

また、文章が冗長にならないことや、箇条書きやインデントなどを用いて、文章の視認性を高めるよう工夫しましょう。

定期的にアップデートする ​

職務経歴書は一度作成したら終わりではありません。職務経歴書が2,3年前で更新が止まっていると、あまり印象がよいものではありません。

また、クライアントとしても、最新の職務経歴書を常に要求してきますので、いつでも提出できるよう、案件が終わるたびや、3カ月に1度程度でのアップデートを定期的にしておくとよいでしょう。

フリーランスの職務経歴書で活用できるテンプレート

フリーランスの職務経歴書は0から作成するよりも、テンプレートを活用することが有効です。必要な項目が漏れることがないですし、作成する時間も短縮することができます。

おすすめのテンプレートを下記に紹介します。

個人情報、フリーランスの経験や専門分野、プロジェクト参画実績、自己PRなどの要素を含む職務経歴書のテンプレートは、フリーランスとしての多様な経験を効果的に伝えるために不可欠です​​​。

採用担当者がフリーランスの職務経歴書を見ているポイントとは?

クライアントの採用担当者が、職務経歴書をどのように見るかは、案件の特性などで変わってきます。ここでは、概ね、どのようなポイントで見ているか解説します。

オールラウンダー案件では人材面も見る​

PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)など、特定の領域の仕事というよりは、すべての仕事を横断的に対応してほしいといったオールラウンダーを求める案件の場合、これまでの実績やスキルもそうですが、コミュニケーション能力やパーソナリティ、ストレス耐性などを重視することが多いです。

そのため、実績やスキルに加えて、コミュニケーションにおいて気を付けていることや、ストレスへの対応方法など、いわゆるソフト面と言われる部分を厚めに記載するようにしましょう。

専門職の場合は実績・スキルを最重視​

SAPやデータサイエンティストなど専門職が欲しい場合は、人材面よりもこれまでの実績・スキルを重視して職務経歴書を見る傾向にあります。

実績・スキルを重視するため、これまでのプロジェクト経験や保有スキルを漏れなく記載するようにしましょう。

フリーランスの職務経歴書のよくある疑問

フリーランスの職務経歴書に関してよくある質問への回答を以下に示します。

職務経歴書の長さ

職務経歴書が2ページ以上になることは問題ありません。ただし、読みやすさを保つために適切な改ページを心掛けてください。

専門用語の使用

専門用語は必要に応じて使用しますが、業界外の人にも理解できるように、一般的な言葉を使って説明することが望ましいです。

業務に関係のない経歴の記載

業務に直接関係のない経歴でも、それがあなたのスキルや経験の幅を示していれば記載する価値があります。ただし、重要度が低い情報は省略しても良いでしょう。

専門知識のアピール方法

専門知識をアピールする際は、職務経歴書において具体的なプロジェクトや成果を通じて示すことが効果的です。専門用語を使いすぎると理解されにくくなる可能性があるので、バランスを取ることが重要です。

フリーランスは、職務経歴書という相棒を育てよう​

いかがでしょうか。フリーランスが案件を獲得するにあたり、職務経歴書が果たす役割は大きいことが分かったのではないでしょうか。

職務経歴書は、最初は作成が億劫で負担も大きいですが、一度作成すれば、定期的にアップデートするのに、そこまで時間は要しません。

また自分自身の強みや価値を、代弁してくれる良き相棒ですので、営業活動の強力な武器として、定期的にアップデートしていくとよいでしょう。

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Shine Craft株式会社 代表取締役 濱口浩平
監修者
濱口浩平
Shine Craft株式会社 代表取締役
・2008年野村総合研究所入社、外資コンサルティングファームを経て、2015年よりフリーコンサルタントして活動開始。これまで、IT戦略、DX推進、新規事業策定、PMO、システム導入など幅広いプロジェクトを経験。
・2022年Shine Craftを共同創業
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