現代の企業は、製品・サービスの質だけでなく、環境や社会問題への取り組みが重要になっています。そこで注目されている職業が、ESGコンサルタントです。ESGコンサルタントとは、企業の社会貢献と長期的な成長をサポートする職業です。この記事では、ESGコンサルタントの仕事内容や必要な資格について解説します。

ESGコンサルタントとは

ESGコンサルタントとは、企業のESG戦略を支援する職種です。ESGとは、「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス・企業統治(Governance)」の略称です。近年の投資家や消費者は、企業の社会貢献を重視する傾向があります。ESGコンサルタントとともにESG戦略を立案・実行することで、投資の活性化および事業の安定が期待できます。
ESGとは
前述の通り、ESGは環境・社会・企業統治の3つから成る単語です。ESGに関して、企業は以下のような課題への取り組みが求められています。
- E(環境):気候変動、森林伐採、フードロス など
- S(社会):人種差別、人権問題、ダイバーシティ など
- G(ガバナンス):法令遵守、情報開示、透明性の確保 など
単なる利益追求だけでなく、ESG課題に取り組むことで企業の社会的な価値が高まります。
ESGとSDGsの違い
ESGと近い概念に、「SDGs(Sustainable Development Goals)」があります。SDGsとは、世界中の国が取り組むべき開発目標です。環境問題、貧困、福祉、衛生といった17の目標に分類されています。2015年に国連のサミットで採択され、2030年までの目標達成を世界的に目指しています。
ESGコンサルタントの平均年収

前提として、ESGコンサルタント単体の平均年収を示した公的な統計データはありません。一方で、コンサルティングファームや事業会社の求人を見ると、経験や役職によって年収には大きな幅があります。
2026年時点の求人動向では、ESGコンサルタントの年収相場は以下のようになっています。
- アナリスト・コンサルタント:年収500万円~1,000万円
- シニアコンサルタント:年収800万円~1,300万円
- マネージャー:年収1,000万円~1,600万円
- シニアマネージャー・ディレクター:年収1,500万円~2,000万円以上
また、フリーランス向けのESG・サステナビリティ案件では、月額120万~200万円程度が中心となっており、ISSB・SSBJ対応、Scope3算定、人的資本開示、CSRD対応など専門性の高い案件では、月額200万円を超えるケースも見られます。
近年は、ESGに加えてDXやデータ分析、PMO、システム導入などの経験を持つ人材への需要が高まっています。そのため、ESGの専門知識だけでなく、プロジェクト推進やデータ活用のスキルを兼ね備えたコンサルタントほど、高年収・高単価を実現しやすい傾向があります。
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ESGコンサルタントの仕事内容

ESGコンサルタントの仕事内容は、企業のESGに関する情報収集や戦略策定だけにとどまりません。近年は、国内外のサステナビリティ開示基準への対応、温室効果ガス排出量の算定、人的資本経営、サプライチェーン管理など、支援領域が広がっています。
主な仕事内容は、以下のとおりです。
- クライアントに関する情報収集と現状評価
- ESGに関するリスクと機会の分析
- ESG・サステナビリティ戦略の策定
- ISSB・SSBJなどの情報開示基準への対応
- Scope1・2・3の算定と脱炭素化支援
- 人的資本経営と人的資本開示の支援
- CSRDをはじめとする海外規制への対応
- ESGの取り組みに関する情報開示
それぞれの仕事内容を詳しく解説します。
クライアントに関する情報収集と現状評価
クライアントの事業内容、環境や社会に与える影響、現在実施しているESG施策などの情報を収集します。
具体的には、温室効果ガスの排出状況、人材構成、労働環境、サプライチェーン、取締役会の構成、コンプライアンス体制などを調査します。収集した情報をもとに、同業他社や国内外の基準と比較し、取り組むべき課題や優先順位を明らかにします。
ESGに関するリスクと機会の分析
企業活動に影響を与えるESG関連のリスクと機会を洗い出し、経営や財務に与える影響を分析します。
例えば、気候変動による自然災害や原材料価格の上昇、環境規制の強化、人権問題、情報管理体制の不備などがリスクとして挙げられます。一方、省エネルギー製品の開発や新市場への参入、従業員エンゲージメントの向上などは、企業の成長機会となる可能性があります。
ESGコンサルタントには、リスクを抑えるだけでなく、ESG課題を新たな事業機会や企業価値向上につなげる視点も求められます。
ESG・サステナビリティ戦略の策定
現状分析の結果を踏まえ、クライアントに適したESG・サステナビリティ戦略を策定します。
重要課題であるマテリアリティを特定し、中長期的な目標、KPI、具体的な施策、実行スケジュールなどを整理します。経営戦略や事業計画とESG施策を連動させ、社内の各部門が実行できる計画に落とし込むことが重要です。
戦略策定後は、推進体制の構築、会議運営、進捗管理、従業員への教育など、実行段階まで支援することもあります。
ISSB・SSBJなどの情報開示基準への対応
近年は、投資家が企業のサステナビリティ関連情報を比較できるよう、国内外で情報開示基準の整備が進んでいます。
ISSBが公表したIFRS S1は、サステナビリティ関連のリスクと機会に関する全般的な開示事項を定めた基準です。IFRS S2は、気候変動に関連するリスクと機会の開示事項を定めています。
日本では、サステナビリティ基準委員会であるSSBJが、ISSB基準との整合性を踏まえた国内向けのサステナビリティ開示基準を公表しています。
ESGコンサルタントは、これらの基準と企業の現在の開示内容を比較し、不足しているデータや社内体制を整理します。そのうえで、開示方針の策定、データ収集、報告書の作成、業務プロセスの構築などを支援します。
Scope1・2・3の算定と脱炭素化支援
企業の温室効果ガス排出量を把握し、削減計画を策定することも、ESGコンサルタントの重要な仕事です。
温室効果ガスの排出量は、一般的に以下の3つに分類されます。
- Scope1:企業が自ら直接排出する温室効果ガス
- Scope2:購入した電気や熱などの使用に伴う間接排出
- Scope3:原材料の調達、輸送、製品の使用や廃棄など、サプライチェーン全体から生じるその他の間接排出
特にScope3は、取引先や製品ごとのデータ収集が必要となるため、算定の難易度が高い領域です。
ESGコンサルタントは、排出量の算定ルールを定め、社内外から必要なデータを収集できる仕組みを構築します。算定後は、再生可能エネルギーへの切り替え、省エネルギー化、物流の見直し、取引先との連携などを含む削減ロードマップを策定します。
人的資本経営と人的資本開示の支援
人材をコストではなく、企業価値を生み出す資本として捉える「人的資本経営」も、ESGコンサルタントの主要な支援領域です。
企業の経営戦略と人材戦略を連動させ、必要な人材像や人材ポートフォリオを整理します。そのうえで、従業員エンゲージメント、離職率、研修時間、女性管理職比率、多様性、健康・安全などの指標を設定します。
また、有価証券報告書や統合報告書における人的資本情報の開示に向けて、方針、指標、目標、実績の整理を支援することもあります。
単に数値を開示するのではなく、「人材への投資がどのように経営戦略や企業価値の向上につながるのか」を説明できるストーリーを構築することが重要です。
CSRDをはじめとする海外規制への対応
海外で事業を展開する企業や、海外企業のグループ会社となっている企業では、各国・地域のサステナビリティ関連規制への対応が必要です。
代表的な制度として、EUのCSRDがあります。CSRDの対象企業には、欧州サステナビリティ報告基準であるESRSに基づく情報開示が求められます。
CSRDでは、サステナビリティ課題が企業の財務に与える影響だけでなく、企業活動が環境や社会に与える影響も重視する「ダブルマテリアリティ」の考え方が採用されています。
ESGコンサルタントは、対象企業やグループ会社への影響を調査し、開示項目の整理、データ収集、社内統制の構築、報告書作成などを支援します。制度改正が続く領域であるため、最新の適用範囲やスケジュールを確認しながら対応することが欠かせません。
ESGの取り組みに関する情報開示
企業が実施したESG施策や成果を整理し、投資家、取引先、従業員、消費者などのステークホルダーに向けて開示します。
主な開示媒体には、以下があります。
- 有価証券報告書
- 統合報告書
- サステナビリティレポート
- コーポレートサイト
- CDPなどの外部評価機関への回答
開示にあたっては、良い取り組みだけを強調するのではなく、未達成の課題や今後の改善方針についても明確に示すことが重要です。
実態を伴わない環境配慮をアピールする「グリーンウォッシュ」と受け取られないよう、客観的なデータや根拠に基づいた正確な情報開示を支援します。
ESGコンサルタントと似ている職種

ESGコンサルタントと似ている職種として、「サステナビリティコンサルタント」「SDGsコンサルタント」「CSRコンサルタント」が挙げられます。いずれも厳密な定義がないため、企業によってはESGコンサルタントと同じ業務を扱う場合があります。ここでは、各職種の一般的な定義を紹介します。
サステナビリティコンサルタントとは
サステナビリティコンサルタントとは、ESG領域も含めた企業のサステナビリティ活動を支援する職業です。持続可能な社会づくりに貢献する戦略を立案し、クライアントの企業価値を高めます。
SDGsコンサルタントとは
SDGsコンサルタントとは、名前の通りSDGsに特化したコンサルタント職です。クライアントのSDGsへの取り組みや顧客のニーズを調査し、SDGs経営を実現させる適切な戦略を提案します。
CSRコンサルタントとは
CSRコンサルタントとは、クライアントがCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)を果たすための戦略を支援する職種です。CSRとESGは非常に近い概念なため、同一視される場合もあります。ただし、ESGには「投資家が投資の際に考慮する概念」としての側面がある一方で、CSRは投資家目線の概念ではありません。
ESGコンサルタントとして働くメリット

ESGコンサルタントには、下記3つのメリットがあります。
1.ESG投資やESG経営の需要が増している
2.エシカル消費が広がっている
3.ESGコンサルタントが少ない
1つずつ理由を解説します。
ESG投資やESG経営の需要が増している
1つ目のメリットが、ESGへの関心の高さです。世界的に環境や社会問題への注目が高まるなか、2006年に国連は「PRI(責任投資原則)」にてESGの概念を発表しました。発表以来、ESGへの関心は高まり、現代の企業は社会への貢献度合いが重視されるようになりました。ESGへ取り組む企業が増えた結果、ESGコンサルタントの需要が高まっています。
エシカル消費が広がっている
近年、一般消費者のあいだで、エシカル消費が広がっています。エシカル消費とは、人や環境、社会に配慮した倫理的な消費活動です。消費者庁の調査によれば、令和5年度のエシカル消費の認知度は29.3%でした(※1)。令和元年度の12.2%から17.1%も上昇しており、今後さらに認知度は高まっていくと考えられます。エシカル消費を見据えた事業を展開するには、ESGコンサルタントによるサポートが必要です。
ESGコンサルタントが少ない
そもそもESGコンサルタントの数がまだ少なく、売り手市場と言えます。ESGの概念自体は、欧米を中心に広まりました。日本ではまだ浸透し切っておらず、ESGコンサルタントの成り手も少ない状況です。需要よりも供給が少ないため、ESGに関する専門的な知見がある人は活躍しやすいでしょう。
※1 参照:消費者庁「令和7年度消費生活意識調査(第6回)」
ESGコンサルタントが在籍する企業例

ESGコンサルタントは、どのような企業で働いているのでしょうか。例として、次の3社を紹介します。
1.PwCコンサルティング合同会社
2.SAPジャパン株式会社
3.株式会社野村総合研究所
各社の特徴を簡潔に説明します。
PwCコンサルティング合同会社
PwCコンサルティング合同会社は、大手総合系コンサルティングファームです。グローバルに事業を展開しており、日本では「ESG・サステナビリティ経営戦略」としてESGコンサルティングを行っています。
SAPジャパン株式会社
SAPジャパン株式会社とは、ITパッケージの開発・販売やコンサルティングを行うSAP社の日本支社です。有名なERPパッケージ「SAP ERP」のほか、豊富なサステナビリティソリューションを提供しています。
株式会社野村総合研究所
株式会社野村総合研究所は、日本のITおよびコンサルティング企業です。「サステナビリティ&パーパスコンサルティング」として、多くの企業のサステナビリティ経営を支援しています。
ESGコンサルタントに求められるスキル

ESGコンサルタントには、ESGに関する知識だけでなく、国内外の情報開示基準への理解、データ分析、プロジェクトマネジメントなど、幅広いスキルが求められます。
主に求められるスキルは、以下のとおりです。
- コンサルティング・プロジェクトマネジメントのスキル
- ESG・サステナビリティに関する専門知識
- ISSB・SSBJなどの情報開示基準に関する知識
- 気候変動・GHG排出量算定に関する知識
- 人的資本経営・人権に関する知識
- データ収集・分析スキル
- 業界・事業に関する理解
- ビジネスレベルの語学力
- コミュニケーションスキル
それぞれ詳しく解説します。
コンサルティング・プロジェクトマネジメントのスキル
ESGコンサルタントには、クライアントの課題を整理し、解決策を具体的な施策に落とし込むコンサルティングスキルが必要です。
ESGへの対応は、経営企画、IR、財務、人事、調達、法務、情報システムなど、複数の部門にまたがります。そのため、関係者の役割を整理し、スケジュール、課題、進捗を管理するプロジェクトマネジメントの能力も重要です。
特に、情報開示やGHG排出量算定では、社内外から多くのデータを収集する必要があるため、PMOや業務改革の経験を活かせる場面が多くあります。
ESG・サステナビリティに関する専門知識
ESGコンサルタントには、「環境」「社会」「ガバナンス」の各領域に関する幅広い知識が求められます。
環境領域では、気候変動、資源循環、生物多様性、水資源などが主要なテーマです。社会領域では、人的資本、人権、労働安全、ダイバーシティなどを扱います。ガバナンス領域では、取締役会の構成、リスク管理、コンプライアンス、情報開示などへの理解が必要です。
すべての領域を同じ深さで理解する必要はありませんが、自身の専門領域を持ちながら、ESG全体を横断的に捉える能力が求められます。
ISSB・SSBJなどの情報開示基準に関する知識
近年のESGコンサルタントにとって、ISSBやSSBJなどのサステナビリティ情報開示基準に関する知識は、特に重要なスキルです。
ISSBが公表したIFRS S1では、企業のサステナビリティ関連のリスクと機会に関する全般的な開示要件が定められています。IFRS S2は、気候関連のリスクと機会に関する開示に特化した基準です。
日本では、SSBJが2025年3月に国内向けのサステナビリティ開示基準を公表し、その後も改正や実務対応基準の整備を進めています。SSBJ基準は、国際的な比較可能性を確保するため、ISSB基準との整合性を重視して開発されています。
ESGコンサルタントには、基準の内容を理解するだけでなく、以下のような実務に落とし込む能力が求められます。
- 現在の開示内容と基準との差分分析
- 開示対象となるリスクと機会の特定
- 必要なデータと情報の整理
- データ収集プロセスの構築
- 開示文書や報告書の作成
- 財務情報とサステナビリティ情報の整合性確認
- 経営層や監査担当者への説明
基準は継続的に改正・追加されるため、最新情報を収集し、クライアントへの影響を判断する力も欠かせません。
気候変動・GHG排出量算定に関する知識
気候変動への対応は、ESGコンサルティングのなかでも特に需要が高い領域です。
ESGコンサルタントには、気候変動による物理的リスクや移行リスクを分析し、企業の事業や財務に与える影響を評価する能力が求められます。
また、温室効果ガス排出量をScope1・2・3に分けて算定する知識も重要です。特にScope3では、原材料の調達、物流、出張、販売した製品の使用・廃棄など、サプライチェーン全体のデータを扱います。
排出量を計算するだけでなく、データの正確性を確認し、削減目標や脱炭素ロードマップの策定につなげる能力が必要です。
人的資本経営・人権に関する知識
人的資本や人権は、ESGの「社会」に関する重要なテーマです。
人的資本経営の支援では、経営戦略と人材戦略を結び付け、従業員エンゲージメント、離職率、育成・研修、女性管理職比率、多様性などの指標を設計します。
また、人権デューデリジェンスでは、自社だけでなく、取引先やサプライチェーンにおける人権リスクを特定し、予防・軽減する仕組みを構築します。
人事制度の知識だけでなく、経営戦略、調達、リスク管理などを横断して考える力が求められます。
データ収集・分析スキル
ESG情報の開示には、各部門や国内外のグループ会社から大量のデータを収集する必要があります。
そのため、Excelを用いた集計・分析に加え、Power BIやTableauなどのBIツール、ESGデータ管理システムを扱うスキルがあると有利です。
また、データの収集元、計算方法、更新頻度、承認者などを明確にし、継続的に正確な情報を開示できる業務プロセスを構築する能力も求められます。
近年は、生成AIを活用して規制情報を調査したり、開示文書の作成や比較分析を効率化したりする場面も増えています。ただし、AIの回答をそのまま使用せず、出典や正確性を確認することが重要です。
業界・事業に関する理解
重要となるESG課題は、業界や事業内容によって異なります。
例えば、製造業では温室効果ガス排出量、エネルギー使用量、資源循環が重要です。金融業では、投融資先を通じた排出量やESGリスクの評価が求められます。小売業や食品業では、原材料の調達、人権、食品ロス、サプライチェーン管理などが主要なテーマになります。
ESGの知識だけでなく、クライアントの収益構造、業務プロセス、サプライチェーンを理解し、経営上の課題と結び付ける力が必要です。
ビジネスレベルの語学力
ISSB、CSRD、ESRSなど、ESGに関連する基準や規制の多くは海外で整備されています。
最新情報や原文を確認するためには、英語の読解力が役立ちます。また、海外拠点からのデータ収集やグローバルプロジェクトでは、英語での会議、資料作成、メール対応などが求められる場合もあります。
すべての案件で高度な英語力が必須とは限りませんが、語学力があることで担当できるプロジェクトの幅が広がるでしょう。
コミュニケーションスキル
ESGへの取り組みには、経営層から現場の担当者まで、多くの関係者が参加します。
ESGコンサルタントには、それぞれの立場や知識に合わせて、複雑な基準や課題を分かりやすく説明する能力が必要です。
また、各部門へのヒアリングを通じて必要な情報を引き出し、意見の違いを調整しながら、全社的な方針や施策をまとめる力も求められます。
ESGコンサルタントにおけるAI活用
生成AIの普及により、ESGコンサルタントの業務も大きく変化しています。従来は大量の資料を人手で調査・整理していましたが、現在ではChatGPTやMicrosoft Copilotなどの生成AIを活用することで、情報収集や資料作成の効率を大幅に向上できるようになりました。
ただし、ESG領域では法規制や情報開示基準が頻繁に改正されるため、AIの回答をそのまま採用するのではなく、必ず一次情報を確認することが重要です。
ここでは、ESGコンサルタントにおける代表的なAI活用例を紹介します。
ESG関連の情報収集・調査
ESGコンサルタントは、ISSB・SSBJ・CSRD・ESRSなど、国内外の制度やガイドラインを継続的にキャッチアップする必要があります。
生成AIを活用すれば、各種基準の概要整理や制度変更のポイント比較、業界動向の調査を短時間で行えます。
ただし、制度改正は頻繁に行われるため、金融庁やSSBJ、IFRS Foundationなどの一次情報で最終確認することが欠かせません。
ESGレポート・提案資料の作成
統合報告書やサステナビリティレポートの構成案、提案書のたたき台、経営層向け説明資料なども、生成AIを活用することで効率的に作成できます。
文章の要約や言い回しの改善、図表の説明文作成などにも活用できるため、資料作成時間を大幅に削減できます。
GHG排出量データの分析
Scope1・2・3の算定では、多くのデータを集計・分析する必要があります。
生成AIとExcelやPower BIなどを組み合わせることで、データの整理や集計方法の検討、異常値の確認、分析結果の考察などを効率化できます。
一方で、排出量の算定結果は企業の開示情報となるため、計算ロジックやデータの正確性は必ず担当者が確認する必要があります。
情報開示基準との比較・レビュー
ISSBやSSBJなどの開示基準と、企業が作成した開示文書を比較し、不足している開示項目や改善点を洗い出す際にも生成AIが活用されています。
例えば、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標・目標」といった開示項目ごとに不足箇所を整理し、レビューの効率化を図ることが可能です。
ただし、AIがすべての開示漏れを検出できるわけではないため、最終的な判断はESGコンサルタントが行う必要があります。
AIを使いこなすこともESGコンサルタントの重要なスキル
生成AIは、ESGコンサルタントの仕事を代替するものではなく、生産性を高めるためのツールです。
AIによって情報収集や資料作成にかかる時間を短縮できる一方で、経営課題を整理し、企業に最適な戦略を立案する役割は依然として人が担います。
今後は、ESGに関する専門知識に加え、生成AIを適切に活用しながら業務を効率化できるコンサルタントほど、市場価値が高まっていくでしょう。
ESGコンサルタントへの転職におすすめの資格

ESGコンサルタントの仕事は、資格が必要な業務ではありません。しかし、業務に関連する資格を持っていると、転職で有利になる可能性があります。おすすめの資格は、次の6つです。
- CFA(Chartered Financial Analyst)
- MBA(経営学修士)
- 中小企業診断士
- TOEIC
- GARP SCR(Sustainability and Climate Risk)
- GRI Professional Certification
資格の概要を紹介します。
CFA(Chartered Financial Analyst)
CFA(Chartered Financial Analyst)とは、アメリカの証券アナリスト資格です。投資や金融など、ファイナンス領域について深く学べます。金融機関や保険会社に強く、コンサルティングファームにも歓迎されやすい資格です。
MBA(経営学修士)
MBA(経営学修士)とは、大学院にて経営学を修了した人に与えられる学位です。正確には資格ではないものの、経営について専門的な知識を得られるため人気を集めています。また、夜間や土日に開講するプログラムがあり、働きながらでも学びやすい点も魅力です。
中小企業診断士
中小企業診断士とは、中小企業の経営状態の調査・診断・アドバイスを行うプロフェッショナルです。財務・会計、経営法務といった経営に関する知識を幅広く習得することで、ESG戦略の構築に活かせるでしょう。
TOEIC
TOEICとは、英語能力を測るテストです。ビジネスでも通用する基礎的なスコアは、990点満点中700点以上と言われています。海外企業をはじめとするグローバルな企業でESGコンサルタントを目指すのであれば、英語力は必須となるでしょう。
GARP SCR(Sustainability and Climate Risk)
GARP SCR(Sustainability and Climate Risk)は、気候変動やサステナビリティリスクに関する知識を証明する国際資格です。気候変動が企業経営や金融市場に与える影響、ESGリスクの評価手法、サステナブルファイナンスなどを体系的に学べます。
金融機関やコンサルティングファームを中心に認知度が高まっており、ESG投資や気候変動リスク管理、サステナビリティ戦略に携わるコンサルタントにおすすめの資格です。
GRI Professional Certification
GRI Professional Certificationは、サステナビリティ情報開示の国際基準である「GRIスタンダード」に関する知識を証明する認定資格です。GRIスタンダードの考え方や、企業のESG情報を適切に開示するための手法を体系的に学べます。
サステナビリティレポートや統合報告書の作成、非財務情報開示の支援などに携わるESGコンサルタントにとって実務との親和性が高く、情報開示やサステナビリティ経営の専門性を高めたい方におすすめです。
ESGコンサルタントに関するよくある質問

ESGコンサルタントに関する以下4つの疑問について解説します。
1.ESGコンサルタントは怪しい職業って本当?
2.ESGコンサルタントには新卒や未経験でもなれる?
3.ESGコンサルタントは将来性がある?
4.ESGコンサルタントからのキャリアパスは?
順番に確認しましょう。
ESGコンサルタントは怪しい職業って本当?
結論として、ESGコンサルタントは怪しい職業ではありません。検索エンジンのサジェストに「怪しい」と出る場合があるため、不安に思う人もいるのかもしれません。しかし、ESGコンサルタントは、大手企業にも在籍する真っ当な職業です。日本ではまだ聞き慣れない職業なので、怪しく感じる人がいると考えられます。
ESGコンサルタントには新卒や未経験でもなれる?
ESGコンサルタントの新卒向け求人を出している企業は、多数存在します。一方、コンサルタントやマネージャー未経験からの転職は、難易度が高いでしょう。とはいえ、多くの職業にはポテンシャル採用の求人が存在するため、未経験からの転職も不可能ではありません。
関連記事:フリーランスの職務経歴書の書き方は?履歴書とはどう違うの?
ESGコンサルタントは将来性がある?
ESGコンサルタントは、将来性がある職業です。SDGsへの注目やESG投資の増加、エシカル消費の拡大により、ESGに取り組む企業は増えています。したがって、ESGコンサルタントの需要も高まっていくでしょう。
ESGコンサルタントからのキャリアパスは?
ESGコンサルタントは、転職先が豊富な職種と言えます。たとえば、事業会社の経営企画部、金融機関、経営コンサルタント、PMOコンサルタントなど、選択肢が広いです。また、将来的にはフリーランスとしての独立も視野に入れられるでしょう。
関連記事:コンサルタントのキャリアパスとは?ポストコンサルとは?その実態を深掘り
関連記事:フリーランスのコンサルタント向けマッチングエージェントはどのようなサービス?
ESGコンサルタントとは?まとめ

ESGコンサルタントとは、クライアントの「環境」「社会」「企業統治」への取り組みを支援する仕事です。企業による社会貢献やサステナビリティに関心がある人は、やりがいを感じる職業でしょう。日本ではまだ知名度が低いですが、サステナビリティの浸透とともに認知が広がっていくと予想できます。
フリーランスのコンサルタントはTHE CONSULへの登録がお勧め
フリーコンサルタントの登録や案件紹介を行うTHE CONSULは、”実力あるコンサルタントが正当に評価され、その価値にふさわしい案件に出会える場所”を目指して設計した、フリーコンサルタント向けマッチングプラットフォームです。フリーコンサル経験者が利用者目線で徹底的にサービスを磨き込んで参りました。
現役コンサルタントがサービス提供しているため、案件の解像度を高めることができ、案件参画後のギャップを最小限に抑えることを実現
また、エンドクライアント様/元請様からの案件に限定した、商流の浅さに拘り、更には他社に出回らない独占案件も豊富に取り扱いしており、登録者の報酬を最大化する仕組みが整っています。そのため、あなたの知識・スキルが正当に評価されることで、高単価・好条件の“本当にやりたい仕事”と出会えます。
今後フリーランスのコンサルタントとして活動してみたいという方向けに、経験者によるご相談もご用意しております。まずはお気軽にご登録ください。
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